「おかえり。最中があるよ。」
おばあちゃんが買ってきたのかなと思いながら、着替えもそこそこにテーブルの菓子盆の最中に手を伸ばす。無造作に包みを開けてパクリとやると、口のまわりや上顎に最中の皮が張り付いてしまった。
ちょっと焦る。モグモグしても取れない。張り付いた感触に気を取られながら食べ終えた。
なんて経験ありますよね。
これを避けるには、まず、お茶やコーヒーで口の中を潤しましょう。
最中皮の厚さや生地の細かさによって張り付き加減が異なるのですが、こうすればほぼ張り付きを気にせず最中を味わえます。はい、解決!
外側にあるのに種とは?
ところで、「皮」と呼んでいるこの部分、和菓子業界では「種」または最中種、皮種と言います。
外側にあるのに種?と不思議な感じがしますが、もち米で作った菓子材料のことを和菓子業界では「種もの」と呼び、最中の皮もこの種ものに分類されるというわけです。そしてこの最中種、ほとんどは和菓子店ではなく、専門の種屋さんで作られているのです。ラーメン店が麺を仕入れるのと同じでしょうか。そして餡を詰められ最中になると、その分類は、和菓子>半生菓子>おか物>最中 となります。
さて、最中は作って2~3日めで種と餡が馴染むと言われていますが、賞味期限ぎりぎりまで待って結晶した砂糖の食感を楽しむという人もいますので、食べ頃は人それぞれですね。
種がパリっとしているのが好きな人には、餡と種が別包装になっている「お手盛り」とか「お手作り」と呼ばれるタイプの最中もあります。好きなように味わってください。