元祖屋台最中:栃木県鹿沼市

人呼んで、動く陽明門

2日目は会津若松からです。鶴ヶ城の北東へ2.5kmほどの飯盛山に白虎隊自刃の地があるのですが、その隣のさざえ堂を訪れました。三層の二重螺旋構造で、正面入り口から上っていくと、最上階を折り返し無しで回って裏の出口へ下りていく仕組みです。全国で5棟が現存するうちの一つでした。

会津若松の次に訪れたのは栃木県の鹿沼市です。日光東照宮の造営に携わった彫り物師たちが鹿沼に留まり彫刻屋台を作ったそうで、動く陽明門と呼ばれる屋台の数々が修復や再建、新作されたりして今にその姿を受け継いでいます。27台が集まる今宮神社の屋台伝承行事はユネスコの無形文化遺産に登録されています。屋台は保管場所にて公開しているものがいくつもあり、今回はそのうちの2ヵ所に寄りました。

94.元祖屋台最中

屋台を模った最中は大中小と3種類のサイズがあり、画像は中と小です。大は予約が必要です。甘さ控えめの粒餡にハチミツが足されています。小は柚餡もあります。

鹿沼土とサツキ

最中店のすぐ近くにある木のふるさと伝統工芸館には華やかな石橋町の屋台(下の画像参照)が展示されています。入館は無料で鹿沼組子の展示もあり、有料で組子体験もできます。もう1か所行ったのは屋台のまち中央公園の彫刻屋台展示館。こちらは入館料200円で3台の屋台があり、時代が異なる屋台の特徴や彫刻で表されている事柄などをガイドの人が説明してくれます。

94.鹿沼の彫刻屋台

鹿沼は特産の鹿沼土を使ったサツキの栽培が盛んです。ちょうどサツキの時期ということもあり、鹿沼花木センターへ。あいにくの雨でしたがなかなかの人出。盆栽カフェの苔玉スイーツは売り切れで、旅の仲間の一人は花畑オムライスを注文。他の人は鹿沼やきそばの店でテイクアウェイ。物産販売所で鹿沼土、赤玉土、腐葉土を模したクッキーを購入して帰りました。

追記:行きがけの新潟市内で綺麗な色の鳥が飛んでいるのを目撃。朱鷺色だ、綺麗だなと眺めてハッとしました。もしかして朱鷺!?大きさからしても、あれは朱鷺だったのではないかと思っていますが、どうでしょう?

元祖屋台最中

御和菓子司松月 栃木県鹿沼市麻苧町1550 0289-64-2558 木曜定休 大・中・小:1個400円・200円・100円+税
市役所や今宮神社から300mほど南の県道14号沿いです。まんじゅうや芋羊羹、桃山のサツキの里などあります。水まんじゅうも評判のようです。駐車場は2軒右隣の足利銀行駐車場の中に6台分あります。

大谷石もなか:栃木県宇都宮市

花巻から宇都宮へ

鹿角(かづの)市を出てから花巻に着く前に、合流組の希望で再び岩手山の焼走り(やけはしり)熔岩流に寄りました。予備知識無しで見た黒い溶岩原に感嘆していました。焼走り最中が無くなってしまったのは本当に残念です。

宿泊地の花巻は宮沢賢治のふる里で、賢治に因んだ名所にはいづれ行くつもりですが、今回は夜に花巻駅近くの銀河地球鉄道の壁画を見に行きました。昼間は白っぽい塗料が見えるのみですが、夜にはブラックライトに照らされて美しい色に浮かび上がります。我々以外にも写真を撮りに一人二人とやって来ていました。翌日の旅の最終日は、福島県須賀川市できゅうりのしぼり汁で打ったかっぱ麺を食べ、栃木県で大谷資料館に寄りました。

77.大谷石もなか

切り出した長方形の大谷石をイメージした最中です。厚みがあるので餡の量が多いのですが、粒餡は程よい甘さ。白餡は隠し味に味噌が入っていいバランスです。包み紙は同じで、餡の種類が判子で記載されています。きれいなショーケースに品よく並べられていました。

帝国ホテル旧本館に使われて有名に

大谷石(おおやいし)は凝灰岩で、斑点が入った白茶色が美しく、防火性と防湿性が高く加工し易いので塀や蔵の壁に使われます。フランクロイドライトが設計した帝国ホテルの旧本館に使われ、関東大震災での損傷が少なかったことから広く知られるようになりました。風化に弱いのが難点でコンクリートに取って代わられましたが、美しさが再評価され、店舗や音楽ホールなどに使われているようです。

77.大谷石地下採掘跡

こちらは大谷資料館の地下の採掘場跡です。狭い階段を下りて行くと巨大な暗い空間が広がり、所々にライトアップされた展示物があります。気温は8℃。撮影は自由ですが、三脚や自撮り棒は禁止です。記念写真を撮ってくれる場所があり、U字工事の写真が飾ってありました。水が溜まっている場所もあり、迷宮の雰囲気もあるので、映画の撮影や展示会などにも使われているようです。資料館の周りにも露天掘りの跡や奇岩があり、それらを眺めながら帰路に就きました。

大谷石もなか

飯田屋菓子店 栃木県宇都宮市大谷町1059-23 028-652-0106 水曜定休 1個140円
大谷資料館から1.5kmほどの大谷街道(県道70号)沿いで、大谷石もなかの看板が目印です。和菓子は最中のみですが、ケーキやコーヒーゼリーが並ぶ地元で評判の店です。お土産には大谷石くーへんや大谷石サブレもあります。店内の壁には大谷石が使われています。店前に5台駐車できます。