釈迦堂最中:山梨県笛吹市

桃の花と遺跡博物館

4月の始めのことです。笛吹市では桃が満開を迎えたので、桃の花祭りの黒駒会場に行ってきました。あの黒駒の勝蔵の出身地ですよ。何十年か前の時代劇「清水次郎長」では、露口茂さんが演じてましたね。

祭りと言っても何か催し物があるわけでもなく、駐車場も無いので、花見客たちは私道入口のスペースに車を停めていました。まわりは桃畑ですが、この一画だけ桃の下に菜の花がびっしり咲いていて、その間を散策できるようになっていました。ジェラートと草餅の出店で各々好きなおやつを買い、ほうとうの店で昼食をとってから釈迦堂遺跡博物館へ。

89.釈迦堂最中

縄文土器を模った皮種で、小倉と白餡の2種類があります。小倉はこし餡の中にみずみずしい小豆の蜜煮が入っていて少し甘めです。山梨県ということで白餡には干しブドウが入っています。

縄文の土偶や土器が大量出土

出土重量30トン、5599点が国の重要文化財という圧倒的な数の縄文土器や土偶が発見された釈迦堂遺跡。これは三内丸山遺跡に次ぐ規模だそうです。遺跡は中央自動車の釈迦堂PAの下に埋め戻され、PAからも徒歩で行ける場所に博物館が建っています。甲府盆地が見渡せる前庭は桜や桃が満開でした。

89.釈迦堂遺跡博物館

1階は企画展で、2階が常設展示場です。小さな土偶の欠けらがガラスケースにぎっしり並べられ、土器の数々が森の小径を行くイメージで年代順に配置されています。広くはないものの膨大な数の出土品がコンパクトに展示されており、見応え十分です。一際目を惹く水煙文土器は単独展示され、俳優の井浦新さんを起用した分かりやすい解説ビデオが館内に流れていました。

釈迦堂最中

赤坂屋 山梨県笛吹市一宮町末木854-3 0553-47-0163 日曜定休 1個151円
笛吹市役所一宮支所の東隣で、遺跡博物館からは2kmほどです。桜餅や団子の他、ショートケーキや焼き菓子などの洋菓子もあります。車は店前に1、2台停められます。

歌舞伎最中:山梨県市川三郷町

市川團十郎家発祥の地

ゆばを買いに行くという一家の車に便乗して山梨県身延町へ出かけました。製造元の直売店でゆば丼の素を購入し、隣の市川三郷町へ。目当ては最中と歌舞伎をテーマにした公園です。

合併する前の旧三珠町は歌舞伎の市川團十郎ゆかりの地ということで、歌舞伎文化公園があります。20台ほどの駐車場はほぼ満車で、芝生広場の奥には歌舞伎をテーマにデザインされた複合大型遊具があり、たくさんの親子連れで賑わっていました。小さな噴水と小川のさらに奥には上野城址に立つ天守を模したふるさと会館、そして公園の隣には歌舞伎の資料館があります。公園に行く前に購入した最中がこちら。

58.歌舞伎最中

皮種は市川團十郎家の三枡紋の一部を模ったものでしょうか。餡は大納言の粒が残る仕上がりになっており、甘さは控えめです。包みには團十郎の十八番である「暫」が描かれています。隈取が描かれた楕円の箱の10個入りもあります。昼に食べたほうとうが正統派からかけ離れた味だったので、口直しに道明寺桜餅を購入し、すぐに食べました。塩味の効いた桜葉に救われました。

甲斐武田の武将に仕えた曽祖父

初代團十郎の曽祖父が甲斐の一条信龍に仕えていたことから、その地を市川家発祥の地として像の建立を考えていた十代と十一代。この願いを十二代が叶え、地元の協力を得て旧三珠町に顕彰碑を建てたとのことです。碑には市川家の三枡紋と役者絵、裏には協力者に対する十代團十郎の感謝の言葉が刻まれています。また、本名の堀越の家紋が牡丹であることから碑の周りには牡丹が植えられています。

58.歌舞伎顕彰碑

市川三郷町は和紙の産地であり、書道用紙も作られていることから、中国の名碑を集めた大門碑林公園があります。以前知らずに通って、山に沿った道に突然現れた中国風の建物にびっくりしました。今回は立ち寄りませんでしたが、拓本の体験ができるようなのでまた行こうかと思っています。歌舞伎資料館の牡丹が咲く4月下旬がいいかな。

歌舞伎最中

きんこう堂 山梨県西八代郡市川三郷町市川大門2735-2 055-272-0377 不定休 1個140円 隈取箱10個入り1680円
JR身延線の市川本町駅の北500mほどの県道3号沿いです。淡い色合いであっさりした甘さの練り切りやいちご大福、カステラが評判のようです。お彼岸で店の奥が慌ただしいい様子でしたが、優しい店員さんが対応してくれました。店の前に3台ほど駐車できます。