秋葉纏:静岡県袋井市

57.秋葉纏

天狗様の引っ越し先

以前浜松市の秋葉(あきは)神社に因んだ最中を紹介しましたが、明治の廃仏毀釈で神社に変わった秋葉山から秋葉三尺坊大権現が引っ越したのが袋井市の可睡斎です。秋葉の火まつりが近づく12月中旬に行ってきました。

可睡斎には秋葉総本殿の他に、本堂、僧堂、護国塔、輪蔵堂などいくつもの建物があります。写真撮影をしていたコスプレイヤーに話しかけ、祈祷の合図の法螺貝が響くなか、落葉し始めた楓を踏みしめて境内を散策しました。家康が命拾いをしたという六の字穴は、以前入ったことがあるのですが、今は立ち入り禁止になっていました。それと、あまり知られていないのですが、下の池の端には330本余りの纏が奉納されている纏殿があります。扉のガラス越しに中を見ることができました。ということで・・・

57.秋葉纏

纏をそのまま模った最中です。紙の馬簾が巻かれてさらに纏っぽいパッケージになっています。紫の紐がかかっているのは小倉餡で、赤は白餡です。複雑な甘みの餡で、注文を受けてから餡を詰めてくれます。数店が共通の意匠で発売しましたが、今は他に1店のみで、そちらは馬簾が付いていない密封パッケージです。

家康の前で居眠り

可睡斎は元は東陽軒という名でした。家康の御前で居眠りをしてしまった和尚に「和尚、睡る可し(ねむるべし)」とかけた言葉から可睡斎と呼ばれるようになりました。1,200体のひなまつり、牡丹まつり、風鈴まつり、秋葉の火まつりなどで一年中賑わいます。また、瑞龍閣の天井画や襖絵、大庭園や日本一の大東司(だいとうす=トイレ)などは有料で拝観できます。境内を全て見るには4時間半かかるそうです。

57.秋葉総本殿

地元の人々から「お可睡」と呼ばれて親しまれている萬松山可睡斎は曹洞宗の禅道場で、遠州三山のひとつです。あとの二山も袋井市にあり、北東に位置する医王山薬王院油山寺は行基開山の真言宗の寺。孝謙天皇の眼病を治した目の霊山で、通称「あぶらやま」。そして高野山真言宗の別格本山の法多山尊永寺は「はったさん」と呼ばれ、厄除け団子が名物です。こちらは東南のエコパスタジアムの奥に位置しています。

秋葉纏

菓子司冨士屋 静岡県袋井市大門17-22 0538-42-3064 火曜定休 1個145円
可睡斎ではなく法多さんへと続く道の入口信号の近くです。かりんとう饅頭やどら焼きの他にクッキーなどの洋菓子もあり、小豆たっぷりのかき氷やぜんざいが店内で食べられます。駐車場は裏にもあります。