隻眼の侠客―森の石松
親戚の子供たちを連れて周智郡森町にハイキングに行って来ました。中心街に近い蓮華寺から大洞院に至る1時間のコースです。馬の神詣が行われていたという道で、観音池やお堂がある杉と竹の道を登って八形山を超え、ザレの先の見晴らし台で休憩し、シダの茂る道を下って大洞院に到着。
曹洞宗の古刹大洞院には、清水次郎長の子分、森の石松の墓があります。喧嘩っ早くて少しまぬけな憎めないキャラクターとして講談やドラマに描かれています。次郎長一家に詳しくなくても、金毘羅参りの船上で隻眼の侠客が「江戸っ子だってね。寿司をくいねぇ。」と言っている場面は何かしらで見聞きした事があるのではないでしょうか。そんな旅姿の石松の三度笠を模ったのがこの最中です。
包みの文字はあっさりと「もなか」のみですが、三度笠の皮種には「森の石松」と入っており、中身は塩味の効いた小豆餡です。注文してから餡を詰めてくれます。抹茶餡もありますが、この日は品切れでした。
ギャンブラーのお守り?
石松の墓の碑は現在のものが3代目なのですが、アフリカ産の硬い石だそうです。いつの頃からかこの墓石をギャンブルのお守りにする輩が現れ、次第に削られて小さくなっていったためで、今では初代の墓石の残りを砕いたものがお守りとして売られています。石松が特にギャンブルに強かったということは伝わっていないようですが、効果やいかに?
墓の隣には清水次郎長の碑が立っており、向かいの赤い太鼓橋を渡ると、石段の先に本堂があります。楓の若葉に覆われた境内で、訪れた人は皆静かに参拝していました。参道にも楓が多く、大イチョウとともに秋には紅葉が美しいです。大洞院から西へ3kmほど行くと遠江國一宮小國神社(おくにじんじゃ)があります。こちらも美しい神社で、正月と桜、紅葉の時期は大渋滞ができます。
石松最中
栄正堂 静岡県周智郡森町森584-1 0538-85-2517 水曜定休 1個120円
太田川の森川橋西の信号近く。求肥まんじゅうを蜜漬けの紫蘇の葉で巻いた大人の和菓子「梅衣」は森町の郷土菓子で、開発者から製法を受け継いだこの店が元祖を名乗っています。両側に駐車場あります。