ふくらすずめ最中:佐賀県鳥栖市

武雄神社のご神木

長崎県北部と佐賀県の旅第3回です。佐世保を出発して佐賀県武雄温泉駅で下車。楼門もなかの店は定休日ですが、武雄神社の大楠を見に行きました。樹齢3000年と言われるご神木で、竹に囲まれて佇ずむ様は神秘的。知名度が低いように思いますが、国外の観光客には知られているようでした。そして、この旅の最後の訪問地、鳥栖市へ。

92.ふくらすずめ最中

冬のすずめが寒さから身を守るため羽毛を膨らませた姿の最中です。厚みのある形の皮種につぶし気味の程よい甘さの小豆餡が入っており、形が同じ小さいサイズは子すずめ最中と呼ばれています。

鳥栖のすずめは黒い

鳥栖駅は鹿児島本線と長崎本線の分岐駅で、蒸気機関車が頻繁に通るため、鳥栖のすずめは黒いと言われていたとか。今は操車場跡は緑まぶしい広場になっており、構内の地下通路「線路下のギャラリー」では鳥栖駅の歴史の写真が展示されていました。尚、鳥栖の名の由来ですが、奈良時代にこの地でいろいろな鳥を飼育して朝廷に献上していたそうで、鳥屋の郷(さと)が変化して鳥栖となったとのことです。

92.操車場記念碑とスタジアム

上の画像は操車場の記念碑とサッカースタジアムで、駅の出口から虹の橋と名付けられた歩道橋を渡って来られます。駅を見学した後は、サロンパスの久光製薬が運営する中冨記念くすり博物館へ。日本の薬の歴史や英国の古い薬局の展示、薬草の庭などをのんびり見学。この3日間歩きに歩いたので帰りはタクシーで駅へ。どこを訪れても皆さん親切だったなあと思い返しながら福岡から飛行機で帰りました。

ふくらすずめ最中

水田屋 佐賀県鳥栖市本町1‐970 0942‐82‐2071 第2・4木曜定休 大:250円+税 小:150円+税
駅正面から400mほどの本町信号の角で、壁にはふくらすずめ最中の大きな文字があります。カラフルな彩すずめや季節限定餡もあるようです。宿場まんじゅうやおはぎの他、ブランデーケーキやシュークリームなどの洋菓子もあります。隣に2~3台駐車場あります。

茶もなか:長崎県佐世保市

レア度満点!洞窟ミュージアム

長崎県北部の旅の第2回は、平戸城入口のバス停からです。平戸を後にし佐世保市吉井で下車。まずはポットホール公園へ。岩の窪みに入った石が水流で動くうちにできた穴が200mほどの範囲にいくつもありました。

そしてついにやって来ました福井洞窟ミュージアム。3.5km離れた場所にある福井洞窟に関する入場無料の施設です。原寸大に再現された発掘現場に5分の映像が投映され、古代人の様子が影で表現され、洞窟の成り立ちを分かりやすく解説。別コーナーでは古代人に扮した人が黒曜石のナイフの替え刃を無言で取り付ける映像に目が釘付け。最後にマンモスの絵の前で槍を構えて記念撮影し、グッズの測量野帳を購入。再びバスに乗り世知原(せちばる)に向かいました。

91.茶もなか

茶葉の形の皮種は隣の佐賀県産の米を使い、世知原産の抹茶と緑茶入りの少し甘めでとろりとした餡が入っています。5個入りパックでの販売ですが、通信販売では2個入りもあります。

茶どころ世知原と軍港佐世保

世知原ではいくつも残る石橋のひとつを見て、炭鉱資料館に立ち寄り、最中店へ。寒暖差があるのでおいしいお茶ができるとのことで、女将さんに教えてもらったお茶の店に行ってみました。店で出してくれたお茶は甘くて旨味と渋みの調和がとれた味。世知原茶は並みいる有名茶処を押さえて全国一になったこともあるとか。折角なので最高級品を購入しました。

91.佐世保の自衛艦

この後中心街までバスで戻り、海上自衛隊のセイルタワーを見学し、一直線アーケードでは日本最長の商店街を通って松浦鉄道に一駅だけ乗車。佐世保駅にて佐世保バーガーを食して二日目を終了。翌朝出発前に、工事現場越しになんとか自衛艦を撮影。この後自衛艦の後ろを通って巨大客船MSCベリッシマ号が入港。工事がなければ自衛艦と客船、海上保安庁巡視船を同時に撮影できたかも。ハウステンボスだけじゃない、盛りだくさんの佐世保でした。

茶もなか

冨重製菓 長崎県佐世保市世知原町中通127 0956-76-2119 日曜定休 5個550円
中通りと槍巻バス停の中間にあります。世知原茶を使ったカステラやブッセなどの和菓子の他に小豆餡の茶ドーナツや茶パウンドケーキも。通信販売もしています。駐車場はありませんが、店前に停めても大丈夫そうです。

平戸城もなか:長崎県平戸市

佐賀から長崎北部へ

今回は新幹線と特急を乗り継いで佐世保までのひとり旅です。佐賀県の有田市で途中下車し、陶器の鳥居がある陶山神社や磁石場跡を巡り、下調べで一目惚れしたモダンな有田焼を1点購入。再び電車を乗り継いで佐世保にやって来ました。これで一日目は終了。二日目は佐世保を拠点に平戸市と佐世保市山間部を回ります。

90.平戸城もなか

天守を模った皮種に、北海道産大納言を程よい甘さに炊いた小豆餡が入っています。シンプルなパッケージの正統派最中です。

日本初の西洋貿易の地

二日目はバス旅です。佐世保駅前から北上し、平戸大橋を渡り、終点の平戸桟橋まで2時間弱かかりました。松浦資料博物館では狩野探幽の獅子の屏風や豪華な螺鈿の品々の他、伊能図を筆頭に古地図が多数あります。建物は平戸松浦氏の武家屋敷で三浦按針ことウィリアム・アダムズも出入りしていたそうです。

90.平戸城からの眺望

時間が押してしまったので、急ぎ足でザビエル記念教会を外から眺め、英国商館通りを通って最中店に寄り、平戸城へ。平戸港の対岸に立つ平山城です。復元天守では歴史体験展示、懐柔櫓では城泊ができ、今年5月には乾櫓にランチレストランがオープン。なかなか力を入れていますね。上の画像は見奏櫓越しの眺望です。城内の平戸つつじは8分咲きでした。

平戸城もなか

菓子処津乃上 長崎県平戸市魚の棚町300 0950-22-3021 不定休 1個140円
英国商館通りの続きの裁判所通りから城へ続く袋町通りへと曲がった所です。最中の他に牛蒡餅とレモンケーキも評判のようです。すぐに食べようと買った「やぶれ万十」には薄い経木が敷かれていました。隣に駐車場2台分あります。

釈迦堂最中:山梨県笛吹市

桃の花と遺跡博物館

4月の始めのことです。笛吹市では桃が満開を迎えたので、桃の花祭りの黒駒会場に行ってきました。あの黒駒の勝蔵の出身地ですよ。何十年か前の時代劇「清水次郎長」では、露口茂さんが演じてましたね。

祭りと言っても何か催し物があるわけでもなく、駐車場も無いので、花見客たちは私道入口のスペースに車を停めていました。まわりは桃畑ですが、この一画だけ桃の下に菜の花がびっしり咲いていて、その間を散策できるようになっていました。ジェラートと草餅の出店で各々好きなおやつを買い、ほうとうの店で昼食をとってから釈迦堂遺跡博物館へ。

89.釈迦堂最中

縄文土器を模った皮種で、小倉と白餡の2種類があります。小倉はこし餡の中にみずみずしい小豆の蜜煮が入っていて少し甘めです。山梨県ということで白餡には干しブドウが入っています。

縄文の土偶や土器が大量出土

出土重量30トン、5599点が国の重要文化財という圧倒的な数の縄文土器や土偶が発見された釈迦堂遺跡。これは三内丸山遺跡に次ぐ規模だそうです。遺跡は中央自動車の釈迦堂PAの下に埋め戻され、PAからも徒歩で行ける場所に博物館が建っています。甲府盆地が見渡せる前庭は桜や桃が満開でした。

89.釈迦堂遺跡博物館

1階は企画展で、2階が常設展示場です。小さな土偶の欠けらがガラスケースにぎっしり並べられ、土器の数々が森の小径を行くイメージで年代順に配置されています。広くはないものの膨大な数の出土品がコンパクトに展示されており、見応え十分です。一際目を惹く水煙文土器は単独展示され、俳優の井浦新さんを起用した分かりやすい解説ビデオが館内に流れていました。

釈迦堂最中

赤坂屋 山梨県笛吹市一宮町末木854-3 0553-47-0163 日曜定休 1個151円
笛吹市役所一宮支所の東隣で、遺跡博物館からは2kmほどです。桜餅や団子の他、ショートケーキや焼き菓子などの洋菓子もあります。車は店前に1、2台停められます。

湯猪:静岡県伊東市

猪が見つけた温泉

伊東は天狗もなか以来の2回目の訪問です。今回は伊東にいくつかある元湯の中から、猪戸の元湯に由来する最中を目指してやって来ました。

昔、伊東が草深い田舎だった頃のことです。傷ついた猪が泉に浸かり、しばらくすると元気になって帰って行ったそうな。その泉は温泉で、その辺りは猪渡(ししと)と呼ばれるようになったとさ・・・という話が伝わっています。そののち猪戸(ししど)と名を変えて湯治客が集まる温泉地として発展したのです。

88.湯猪

読みは「ゆじし」で、小振りな猪の皮種に程よい甘さの粒餡が入っています。今はばら売りは無く、5個、7個、12個入りなどのパックで売られています。包装紙には気持ちよさそうに湯に浸かる猪が描かれています。伊勢の神宮への献上菓子だそうです。

お馬の湯にまくら投げも

猪戸通りは市街のほぼ中央にあります。今は湯が出なくなってしまったそうですが、ラフォーレ伊東温泉の駐車場に元湯権現があるというので行ってみました。大きな木の根元に隠れるように、小さな祠が祀られていました。また、猪戸通りには2体の猪の像がありますが、東側の像が設置されていたスルガ銀行が別の建物になるらしく、そこにあった像が西側のもう1体の場所に移されていました。台座には猪戸元湯の由来が記してあります。

88.猪戸通りの猪像

一方、同じ猪戸エリアで伊東駅近くにある出来湯は、農耕馬を癒したとしてお馬の湯とも呼ばれ、出来湯権現では毎年祭事が行われているようです。さて、通り沿いの店を見てまわっていたところ、あるポスターが目に留まりました。「全日本まくら投げ大会」第12回が今年2月24日と25日に開催されるとのこと。伊東を盛り上げたいという地元高校生の思いから始まり、最近では地方大会も開かれるようになっているそうです。伊東にはまだ最中があるので、また来ますよ。

湯猪

文寿堂菓子店 静岡県伊東市猪戸1-2-3 0557-37-3293 水曜定休(季節により変動)5個入り700円~
猪戸通りの中央寄りで、湯ノ花通りの角から西へ4件目です。「湯猪 文寿堂」の看板を掲げていて、一番の売りは湯猪ですが、だんご、まんじゅう、赤飯などの他に蒸しマドレーヌもあります。柔和な雰囲気の女将さんが対応してくれます。