猪が見つけた温泉
伊東は天狗もなか以来の2回目の訪問です。今回は伊東にいくつかある元湯の中から、猪戸の元湯に由来する最中を目指してやって来ました。
昔、伊東が草深い田舎だった頃のことです。傷ついた猪が泉に浸かり、しばらくすると元気になって帰って行ったそうな。その泉は温泉で、その辺りは猪渡(ししと)と呼ばれるようになったとさ・・・という話が伝わっています。そののち猪戸(ししど)と名を変えて湯治客が集まる温泉地として発展したのです。
読みは「ゆじし」で、小振りな猪の皮種に程よい甘さの粒餡が入っています。今はばら売りは無く、5個、7個、12個入りなどのパックで売られています。包装紙には気持ちよさそうに湯に浸かる猪が描かれています。伊勢の神宮への献上菓子だそうです。
お馬の湯にまくら投げも
猪戸通りは市街のほぼ中央にあります。今は湯が出なくなってしまったそうですが、ラフォーレ伊東温泉の駐車場に元湯権現があるというので行ってみました。大きな木の根元に隠れるように、小さな祠が祀られていました。また、猪戸通りには2体の猪の像がありますが、東側の像が設置されていたスルガ銀行が別の建物になるらしく、そこにあった像が西側のもう1体の場所に移されていました。台座には猪戸元湯の由来が記してあります。
一方、同じ猪戸エリアで伊東駅近くにある出来湯は、農耕馬を癒したとしてお馬の湯とも呼ばれ、出来湯権現では毎年祭事が行われているようです。さて、通り沿いの店を見てまわっていたところ、あるポスターが目に留まりました。「全日本まくら投げ大会」第12回が今年2月24日と25日に開催されるとのこと。伊東を盛り上げたいという地元高校生の思いから始まり、最近では地方大会も開かれるようになっているそうです。伊東にはまだ最中があるので、また来ますよ。
湯猪
文寿堂菓子店 静岡県伊東市猪戸1-2-3 0557-37-3293 水曜定休(季節により変動)5個入り700円~
猪戸通りの中央寄りで、湯ノ花通りの角から西へ4件目です。「湯猪 文寿堂」の看板を掲げていて、一番の売りは湯猪ですが、だんご、まんじゅう、赤飯などの他に蒸しマドレーヌもあります。柔和な雰囲気の女将さんが対応してくれます。