ひめます最中:秋田県鹿角市

76.ひめます最中

奥入瀬から十和田湖へ

青森市を後にした我々は八甲田山の横を通ってアントニオ猪木家の墓へ向かいました。遠くに見えていた雪を被った山肌がすぐ道の脇に迫り、気温がぐっと下がります。酸ヶ湯を過ぎたあたりではスノーボードをする人も。しばらくして紅葉で有名な蔦沼のアントニオ猪木家の墓に到着。ご本人はこちらにはまだ入っていないようですが、墓には赤いタオルや花、飲み物などが供えられていました。

そこから新緑の奥入瀬渓谷へ。駐車できる場所を見つけては渓流と緑を眺めました。十和田湖に着くと、遊覧船乗り場にあるルパン三世に扮したきりたんぽ屋台で味噌たんぽを調達し、朝仕入れたアップルパイと共に軽い昼食を取りました。手を振ってルパンに分かれを告げ、湖の南側を回って秋田県へ。ひめます最中は十和田市にもあるのですが、養殖に成功した人が鹿角市出身ということで今回は鹿角市で。

76.ひめます最中

ひめますを模った最中は2種類の餡があります。青字の帯がかかったのは程よい甘さで瑞々しい小豆餡。桃色のほうは白餡に桃が入った桃餡ですが、桃がピューレになっているせいか、果肉感がないので柔らかい白餡のような感じです。

明治38年、湖面にさざ波が立った

ヒメマスはサケ科の淡水魚で北海道の阿寒湖に生息していました。支笏湖への移殖に成功してから、本州のいくつかの湖にも移殖されました。魚がいないカルデラ湖である十和田湖への移殖に成功したのは鹿角市の和井内貞行氏です。孵化場を作り、明治36年に稚魚を放流して2年後の秋、静かな湖面にさざ波が立ち、岸に向かってきました。成魚になったヒメマスが戻ってきた瞬間でした。それまで干物ばかりだった鉱山労働者の食事に新鮮な魚が供され、釣り人や観光客が訪れる湖になったのです。

76.十和田湖

この写真は十和田湖の南の発荷峠からの眺めです。最中旅は曇りの日が多いのです。さて、鹿角市に入りましたが、最中店に行く前に大湯環状列石に寄りました。集団墓の可能性が高いというきれいに整備された広い遺跡を散策し、ストーンサークル館で土版コースターを、近くの菓子店では「どばんくん」クッキーを買いました。街中で最中店に寄った後、秋田県から岩手県に入り、花巻市の温泉ホテルへ。次回はみちのく車旅の最終回です。

ひめます最中

芳徳庵 秋田県鹿角市十和田毛馬内字城ノ下18-1 0186-35-4398 水曜定休 1個140円+税
十和田南駅や十和田インターから1kmほど北です。大福やどら焼きなどの和菓子がありますが、何と言ってもワッフルが評判の店だそうで、この日もほぼ売り切れていました。鹿角市花輪と秋田市にも支店があります。駐車場は信号の南の角に10台分あります。