荒船風穴最中:群馬県下仁田町

荒船風穴最中

絹産業の世界遺産

今回の最中旅の第一目的である荒船風穴は、下仁田の中心街から車で35分の山の中にあります。土日は神津牧場側の駐車場から800mの山道をシャトルバスが出ていますが、平日なので反対側のルートを行きました。

車を停めて矢印に従って細い急坂を登ると料金所の小屋の前に出ました。入場料を払って記念の世界遺産カードを1枚選んだら、ガイドさんが小屋から出てきて案内してくれました。今は石垣の囲いが残るのみですが、冷たい風は出ていて、この日の下界は25度ほどの気温だったのですが、1号風穴の中は2 . 4度!そんな風穴を表現したという最中を来る途中の和菓子店で入手しました。

荒船風穴最中

蚕のまゆの形の最中にはシルクパウダー入りの小豆のこし餡が、石垣の形には風穴の冷気を表現したというハッカ油入りの白こし餡が入っています。皮種は薄く、餡は程よい甘さです。ハッカは効きすぎることなく、最中に清涼感を与えています。まゆ2個と石垣3個のセットで化粧箱に入っています。

絹の大衆化に貢献

荒船風穴は石垣の囲いの中に2階建ての小屋がありました。この中に蚕の卵を貯蔵して、時期をずらして風穴から出し孵化させます。1年に1サイクルだった養蚕が何度も行えるようになったのです。国内最大の規模で、42道府県と、さらに朝鮮半島との取引もあったとのこと。洞窟型の風穴と異なり、温度の違う3基の風穴で徐々に自然の状態に戻すことができます。風穴がある地域からの、リスク分散のための委託も多かったそうです。

荒船風穴

上の画像は見学用デッキから撮った風穴。デッキの隅に風穴が使われていた頃の写真があります。昔はこの風穴の脇の小道を何十頭もの馬が長野県の佐久から米を運んできたそうです。下の集落は賑わい、馬で荷物を届ける宅配便のような商いもあったとか。この日は観光客もまばらで、集落で飼われている甲斐犬の声が山々に木霊していました。

荒船風穴最中

古月堂 群馬県甘楽郡下仁田町本宿3760 0274-84-2417 火曜・第3水曜定休 2種5個入り700円
国道254号から県道43号に入る上州姫街道の宿場町だった所にあります。2017年の群馬土産3位に選ばれた「本宿どうなつ」の店で、254沿いに大きな看板が建っています。北関東自動車道の前橋南インター近くに支店があります。