修善寺に伝わる古面
猪最中を購入後、わさび最中を買う予定でしたが、月ヶ瀬の道の駅も発売元の修善寺支店でも売り切れ!本店までは10kmほど戻らないとならなかったので、次回まで持ち越しとなりました。
気を取り直して、修善寺にて弘法大師の独鈷の湯周辺を散策し、修善寺(地名ではなく寺のほう)の宝物殿を見学しました。ここには歌舞伎の修善寺物語の元となった古い面が収められています。ゴツゴツとした面は中央付近で2つに割れており、空虚な目が大きく空いています。漆の湯に入れられた頼家の姿を映しているとか。なんだか不気味ですが、そんな面の最中が修善寺にあるのです。
修善寺宝物殿の古面を模った皮種の中には、粒立った甘めの小豆餡が入っています。包みには能面に向かって槌を振り上げる面作り師の姿が描かれています。つまり、包みは修善寺物語の一場面、中身は物語の元になった古面となっているのです。
頼家から依頼を受けた面作り師は・・・
何度打っても頼家の面に死相が現れる為、納品できずにいた面作り師夜叉王の元に、しびれを切らした頼家が訪ねてきます。怒る頼家をなだめようと家人が死相の出た面を渡すと、出来栄えに満足した頼家は面を持ち帰ります。己の未熟を恥じた夜叉王は自分が打った面を全て砕こうとするのでした。ところがその夜、頼家は夜討ちに合って命を落とします。死相が現れていたのは未熟ゆえではなく、死相をも表す技であったのだと夜叉王は知るのでした。
温泉街の真ん中を流れる桂川の中には、弘法大師の独鈷の湯が沸き出ています。寺から出たらちょうど雨が降ってきて、さっきまで湯に足を浸していたたくさんの観光客がいなくなっていました。桂川を遡れば竹林の小径、さらに少し行くと修善寺梅林やゆったり過ごせるテーマパーク修善寺虹の郷がありますが、また来るよ、伊豆。わさび最中を買いにね。
修善寺物語
和楽 静岡県伊豆市柏久保1355 0558-72-4717 木曜定休 1個130円+税
伊豆箱根鉄道の修善寺駅の北側。静岡銀行裏手の静かな場所にある白黒のすっきりした外観の店です。みたらし団子やどら焼きなどの気軽なものから上生菓子までいろいろ。季節限定商品も多種あります。