月の輪:島根県安来市

月の輪

敵討ちのワニザメ退治

安来といえばドジョウすくいの安来節が有名ですが、8月14日には安来の一大イベント月の輪まつりがあります。出雲国風土記に記されている月の輪の由来とは・・・。

674年7月13日のことでした。中海の毘売崎で遊んでいた語臣猪麻呂(かたりのおみいまろ)の娘が、ワニザメに襲われ殺されてしまいました。敵討ちを誓った猪麻呂が海岸で神々に祈ると百匹ものワニザメが現れました。群れの中心にいた大ワニザメを鉾で仕留め腹を割くと、娘の足がでてきました。怒りと悲しみでサメを切り刻み、鉾に刺してさらした形は月の輪(=三日月)のようであったということです。

横長の四角の最中には月の輪の鉾が描かれています。個包装の表には神事の様子が、裏には簡単な説明が載っています。餡は甘めで、きっちり包装されて賞味期限が長いので、砂糖の結晶ができるのを待って楽しむこともできます。

離れて向かい合う父娘の像

安来駅から出てまっすぐ歩くとすぐに安来港に出ます。右を見ると海の中に出た岩の上に猪麻呂の娘の像があります。これと対になるのが父親の語臣猪麻呂の像で、こちらは安来駅を出て左へ行くと左側にあります。猪麻呂の像は後ろが電線だらけで、なんかちょっと残念。

猪麻呂の敵討ち以来、毎年8月に娘の慰霊のために村人たちが4日間踊り続けたとのことです。市をあげての祭りとして今も続いていて、初日には5,000発の花火が上がり、哀愁を帯びた笛と太鼓に合わせ、三日月型の行灯を掲げた山車が練り歩く神事が4日に渡って開催されます。猪麻呂が神々に祈り始めてからサメを仕留めるまでに4日かかったことに因んでいるそうです。

月の輪

佐川末廣堂 島根県安来市安来町1195-1 0854-22-2569 日曜定休 1個140円
駐車場はありませんが、交通量が多くない道のようなので店の前に停めさせてもらいました。