現代書道の父
比田井天来(ひだいてんらい)という人物を知っていますか?「書は芸術である」として新境地を切り拓いた、現代書道の父と呼ばれる書家です。佐久の最中を調べていて初めて知りました。下仁田からの帰りに佐久を通るので、行って来ました。
荒船風穴と神津牧場の後、コスモス街道を通って長野県の佐久市に出ました。佐久と言えば鯉ということで鯉最中があるのですが、この日は定休日だったのでまたの機会に。千曲川を渡ってそのままずっと西に10kmほど進み、佐久市に合併された元の望月町まで行きました。
横が7.5cmと大振りの天来最中の皮種には別号の「畫沙(かくさ)」の落款、裏には天来と入っています。 妻の小琴(しょうきん)の名が併記された小さめの最中は、同じ落款に裏は小琴となっています。少し甘めのつぶし餡で、食べ応えがあります。包み紙の上の落款はこれも別号の比田井象之です。
記念館と自然公園
市役所の隣にある天来記念館は日本初の書道専門美術館だそうで、天来の作品や筆、落款などが展示されています。かな書道の最高指導者だった小琴や、門下生たちの作品も見ることができます。また生家の裏山には地元のNPO法人が整備した天来自然公園があり、天来と門下生の書の石碑が9基建っています。公園へ続く道には案内板があるのですが、その先は木々が覆いかぶさる細い道です。公園に入る小径の前に車が方向転換ができるスペースがあってほっとしました。
書道家の聖地として毎年訪れる団体もあるようで、秋にはこの公園で天来祭りが催されます。望月町が佐久市と合併してから、天来の影が薄くなってしまったと嘆く人もいるそうで、なんとか盛り上げようとしているようです。また、望月地区には3千体もの石仏が町のあちこちにあり、石仏の里とも呼ばれています。
天来・小琴最中
喜月堂 長野県佐久市望月168 0267-53-2012 第1・第3日曜定休 1個180円/130円
天来記念館の近くの旧中山道沿いにあります。一般的な菓子も売っている庶民的な感じの店です。駐車場はないようなので、店の前に停めました。