別子一号もなか:愛媛県新居浜市

66.別子一号もなか

銅山鉄道の蒸気機関車

観音寺市を後にして、愛媛県新居浜市にやって来ました。ここには住友グループの礎となった別子銅山跡があります。新居浜インターから2kmほどのところに記念館があるので訪問しました。

元禄3年(1690年)に銅の鉱脈が見つかり、翌年から採掘が始まりました。それから300年近くに亘り様々な苦難を乗り越え、掘った鉱量は約3,000万トン、銅の量は約65万トンにも及んだといいます。当時の泉屋は住友と名を変え、新居浜の町や港は栄えました。明治23年には銅山鉄道が開通し、ドイツ製の蒸気機関車が導入されました。それが別子一号です。

66.別子一号もなか

包みには蒸気機関車が描かれていますが、皮種は江戸時代の丸銅を模ったのでしょうか、模様無しの平丸型はかえって珍しいです。砂糖と水飴、寒天で仕上げたオーソドックスな餡は粒が残り気味で瑞々しく、程よい甘さです。

世界遺産登録を目指す東洋のマチュピチュ

別子銅山記念館は大山住神社の境内にあります。神社の階段を上ると左手に別子一号蒸気機関車、右手にサツキに覆われた半地下の記念館があります。住友グループが建設、運営しており、無料で見学できます。四層のフロアを下へ進む作りで、鉱石標本や古文書、道具、坑道模型などの展示の他、歓喜の陽光(ひかり)と名付けられた仕掛けがあり、幕府から採掘許可が下りた5月9日に天窓から太陽光が直接差し込むというものです。こういうのいいですね。

66.別子一号

山中の銅山跡地にはマイントピア別子という観光施設や、さらに奥には東洋のマチュピチュと形容される東平(とうなる)の採鉱本部跡があります。東平は落石の為2023年3月末まで通行止めになっていますので、記念館隣の山根公園グラウンドに立ち寄って、昭和初期に住友社員が奉仕作業で作ったという石積観覧席や、その後ろにある銅山廃棄物の再利用を試みた山根精練所の煙突を眺めました。

別子一号もなか

菓舗蛭子堂 愛媛県新居浜市大生院988-3 0897-41-3841 水曜定休 1個160円
いよ西条インターチェンジから11号を500mほど新居浜方面へ戻ったあたりです。義経の屋島合戦の勝利に因んだ瀬戸の源氏巻が看板商品ですが、季節の上生菓子や新居浜にちなんだ和菓子が充実しています。店横に駐車場あります。