稲むら最中:和歌山県広川町

83.稲むら最中

隣の湯浅は醤油の町

(紀勢本線ひとり旅その3)
御坊市を発ち、湯浅駅に降り立ちました。心配していた雨は夜のうちにピークを過ぎ、朝には小雨になっていました。湯浅駅で自転車をレンタルする予定だったのですが、まだ雨が上がらなかったので湯浅醤油まで徒歩で移動。湯浅は醤油発祥の地なのです。

工場の中が見られる通路を通って売店へ。金山寺味噌を作る過程でできたということで、金山寺味噌の他にもTシャツや前掛けなどのグッズもありました。冬季限定の生しょうゆを旅の仲間への土産に購入。リュックがぐっと重くなりました。駅に戻る頃には雨が上がったので、レンタサイクルで広川町へ。広川町を襲った津波から村人を救った「稲むらの火」の実話からできたのがこちらの最中です。

83.稲むら最中

燃える「稲むら」の最中は地元の高校生が考案し、イラストも手がけました。青い包みは「稲むらの塩」が入った粒餡、オレンジ色の包みは隣町の有田産みかんの程よい風味が効いた白餡です。両方とも硬めの餡です。

国連が制定した世界津波の日

嘉永7年(1854年)11月5日、安政南海地震の大津波が紀伊半島を襲いました。広川町の広村では夕方暗くなってから津波が押し寄せ、村人たちは暗闇で大混乱。すると丘の上にあった収穫したばかりの稲を積み上げた「稲むら」に火が付けられたのです。村人はその火を目印に丘に逃げることができました。この話を元に小泉八雲が書いた小説は国語の教科書にも載る防災教材となりました。

83.広村堤防

実話において火をつけた人物は濱口梧陵氏、ヤマサ醤油の7代目です。その後、津波で家や職を失った人々の救済を兼ねて、私財を投入して堤防を建設しました。今も残る広村堤防です。堤防を見学した後、近くの浜口梧陵記念館と津波防災教育センターの「稲むらの火の館」を訪れました。記念館は無料で、勝海舟や福沢諭吉とも親交があった梧陵の人生を紹介しています。防災センターは入場料500円です。

稲むら最中

有田観光物産センター企画販売 1個170円
火の館の向かいの物産館「道あかり」で買いました。稲むらの火の限定パッケージのヤマサ醤油もありました。他にも温泉施設や湯浅PAなど、広川町、湯浅町、有田川町の13ヵ所ほどで販売しています。