敵に塩を送る
十日町市からほくほく街道を西に進み、山を抜けて上越市にやって来ました。埋蔵文化財センターが5時に閉まるので、それまでに御城印をもらわねばならぬということで、脇目も降らず市街地を通りすぎて春日山城の麓へ。なんとか4時50分に到着。中の展示を見ることはできませんでしたが、明日も予定が詰まっているので致し方ないのです。
春日山城は上杉謙信の居城で、文化財センターの前には謙信の騎馬像が立ち、街中には謙信の名を冠した通りがあります。時々信玄と言い間違えるので上越市の人に怒られそうですが、けんしん・しんげん、似てないですか?姓から言えば間違えないのですが・・・。その信玄が北条と今川から塩の流通を止められた際に、両氏からの要請を無視したのが謙信公です。「敵に塩を送る」の故事です。これを誇りに思う上越市にはこんな最中があります。
むしろで袋を作り、塩を入れて縄で結わえた「塩かます」を模った最中です。ふっくらした形の皮種に程よい甘さの大納言餡と求肥が入って食べ応えがあります。ばら売りは無く、5個パックで1080円。5個と10個の箱入りもあります。
春日山全てが城
天守も石垣も無かった春日山城は天守好きの人には物足りないかもしれませんが、山全体が城であり、麓からは全貌が見えないという秘密基地に通じる魅力がありますね。息を切らしながら本丸にたどり着くと上越の街並みが一望できます。この山に主立った者の屋敷もあったそうで驚きますが、一番驚いたのはこの高さの二の丸に井戸があることです。地質によりサイフォンの原理で水が湧くそうで、直径10mの大井戸は今も水を湛えていました。
翌朝は日本にスキーを伝えたレルヒ少佐の像を見てから高田城へ。本丸跡は学校になっていますが、三重櫓が復元され内部は資料館になっています。外堀と内堀の間は美しく整備された公園で、水と緑に三重櫓が映えます。桜や蓮の時期もたいそう美しいようです。さて、この後南下して長野県の飯山市に行ったのですが、目当ての「一本づえスキー最中」は製造終了でがっかり。同行のスキー愛好者がレルヒ少佐のグッズが欲しいと言うので、妙高新井の道の駅まで30kmほど戻り、ゆるキャラとなったレルヒさんのグッズを買って帰りました。
情けの塩最中
かなざわ総本舗 新潟県上越市稲田4-11-5 025-522-5500 無休
高田城の北から関川を渡る橋と上新バイパスの中間。上杉謙信や直江兼続に因んだ和菓子が中心です。一番人気の出陣餅は信玄餅に似ていますが、よもぎ餅です。店内に甘味処があり、かき氷やあんみつなどが食べられます。駐車場は広いです。