大井川もなか:静岡県島田市

54.大井川もなか

世界一長い木造の橋

ギネスも認める世界一長い木造の歩道橋に行って来ました。大井川に架かる蓬莱橋です。明治12年に完成した全長897.4mの橋は、茶の栽培が始まった牧之原と島田宿を結び、開拓が進む牧之原を蓬莱と例えたことから名付けられました。

橋の袂の料金所で通行料の100円を払い、通行幅2.4mの橋を渡ります。子供料金は10円です。通行料は補修に使われるらしく、板が所々新しくなっています。欄干が低いので、あまり端に寄らないよう歩きます。対岸は山へ続く小道で、飲み物の露店や石の彫刻の店を眺めてから戻ってきました。昔は渡し舟さえ無い東海道最大の難所で、幕府の管理下で川越し人足に担がれて渡っていました。その川越しをテーマにした最中が島田市にあります。

54.大井川もなか

島田通用木札を模ったもので、百文と三万枚限の文字も並びます。中の粒餡は甘めですが、求肥が入っているのでいいバランスになっています。皮種がさくさくとして崩れ気味なので、まずお茶を飲んでからどうぞ。

越すに越されぬ大井川

昔の大井川は水量が多く、橋を架けるのも舟で渡るのも危険ということを口実に、江戸への侵攻を防いでいました。島田宿の川会所では毎日の水量に応じて川越しの料金を決め、旅人は川札を購入して川越人足に担がれたり、連台で運ばれたりして川を越えます。増水すると川留めになり、何日も渡れないことがありました。人足は訓練された専門職で、幕末頃には両岸合わせると1300人もいたそうです。

54.蓬莱橋

蓬莱橋から戻って袂の茶屋で煎茶のソフトクリームを食べ、そこから車で少し上流の島田博物館へ。駐車場には人足が担ぐ連台のベンチがあり、記念写真を撮っている人がいました。脇の道を歩いていくと、堤防の役目をするせぎの跡や川越人足の待機所である番宿跡が並び、川会所の建物などとともに街並みが川越遺跡として保存されています。地味な感じですが小綺麗に整備され、観光客が何人もそぞろ歩いていました。

大井川もなか

みのや 静岡県島田市本通り2丁目4-10 0547-37-2846 水曜定休 1個167円+税
掛川駅北口から300mほどの本通り沿いです。みそ饅頭や日本髪の島田髷をテーマにしたブッセなどもあります。最中は大井川鐡道のKADODE OOIGAWAなどの観光施設でも買うことができます。駐車場はありませんが、本通り2丁目信号の島田信用金庫隣のパーキングが近いです。