店蔵、鐘つき最中:埼玉県川越市

小江戸川越の蔵造りの町

去年の夏の盛りに川越市に行ったことがありました。その時はリュックサックを背に歩き回ったので、食べ物は煎餅くらいしか買って帰ることができませんでした。今回は冬でしかも車移動だったので、さいたま市に行ったついでに川越まで最中を買いに行ってきました。

夏でも冬でも川越蔵造りの町並みは観光客でいっぱいです。すれ違う人々からは中国語や韓国語が聞こえ、ヒジャブを着けた中東の女性もいます。なかには和服を着てそぞろ歩く日本人のグループも。何かの店にずらりと並んだ行列を横目に、一番街に面した店と時の鐘のすぐ横の店の2軒に向かいました。

店の外観がパッケージに描かれたくらづくり最中は店蔵の形で、粒はつぶし気味の硬めの餡です。時の鐘が描かれた鐘つき最中は甘めの餡で、両方ともしっかりした厚めの皮種です。

大火の経験を活かした街づくり

川越は商人の町として発展していましたが、明治26年(1893年)に大火事に見舞われました。全財産を失った商人もいたそうですが、その時焼失を免れたのは蔵でした。火事に強い町を造ろうということで、皆で助け合って蔵造りの町としての再建に取り組みました。伝統的な造りにレンガや大谷石を組み込み、黒漆喰で仕上げた店蔵は、川越独特の景観を作り出すこととなったのです。

蔵造りの町並み

時の鐘も大火の後に再建したもので、9時から18時の3時間毎にゴ~ンという鐘の音を聞くことができます。川越には店蔵が建ち並ぶ一番街や時の鐘の他に、駄菓子店が並ぶ横丁もあります。また、川越氷川神社や喜多院、川越城本丸御殿などの他、大正時代の洋館などもあり見所満載です。季節のイベントも充実しているようで、観光客が多いのもうなずけます。

くらづくり最中 店蔵

くらづくり本舗(一番街店) 埼玉県川越市幸町2-16 049-225-5252 無休 1個110円
川越市内だけでも支店が15店舗あり、福の字が付いた福蔵という最中のほうが有名なようです。スイートポテトやパイなどさつま芋の和洋菓子もいろいろあります。

鐘つき最中

福呂屋 埼玉県川越市幸町15-1 049-222-1103 月曜定休 1個150円
時の鐘のすぐ隣。2階は和風カフェになっていてかき氷やあんみつなどが食べられます。1階の和菓子店にはさつま芋のきんつばやパウンドケーキもあります。

盆栽最中:埼玉県さいたま市

旧大宮市の盆栽村

大宮の鉄道博物館へ行く知人のグループに便乗してさいたま市へ行って来ました。鉄道博物館の前で二手に分かれ、我々は盆栽村へ。住宅街の中に盆栽店が点在している地区なので、休憩所として利用できる盆栽四季の家に駐車して付近を散策しました。

12月の初めだったので街路は紅葉で彩られていました。風情ある盆栽店の門をくぐると、大小様々な盆栽が並んでいます。盆栽教室の日だったらしく幾人かが店の奥へと入って行きます。最近は若い人にも人気があるそうで、通信教育もやっているとか。そんな盆栽村の名物最中がこちら。

盆栽最中

松の盆栽の皮種に入った餡は粒が残り気味で甘さ控えめ。写真の焦がし種の他に、白い種の抹茶餡、ピンクの種の白餡もありました。やっぱり香ばしい焦がし種がおいしいですね。

盆栽業者が集団移住

関東大震災をきっかけに東京小石川の盆栽業者が移住したのが始まりだそうで、盆栽村組合が作られ、盆栽村に住むためのルールが制定されました。
1 盆栽を10鉢以上もっていること
2 門戸を開放し、誰でも見られるようにすること
3 家は二階屋ではなく平屋にすること
4 家の囲いは生垣にすること
今は盆栽店が5店ほどになってしまい、普通の住宅街になっています。

盆栽美術館

盆栽村の近くには大宮盆栽美術館があり、樹齢何百年なんていう立派な盆栽を見ることができます。館内は撮影禁止ですが、一部の展示とロビーは撮影可能。上の写真はロビーに飾られていた季節の盆栽、椿です。ショップでは青龍と銘が付いた五葉松の盆栽が描かれた手拭いを購入しました。

盆栽最中

大成屋 埼玉県さいたま市北区東大成町2-260 048-663-2692 木曜定休 1個140円
盆栽村に一番近い店です。信号近くなので車の出入りがちょっと難儀。盆栽最中は大宮の和菓子店数店で作っていて、それぞれの店の餡を入れて販売しています。 デパートに入っている店や日曜定休の店もあるので都合に合わせてどうぞ。

米とぎ最中:静岡県磐田市

八王子神社の米とぎ祭り

以前、磐田市の特産品販売所で米とぎ最中を見つけて買ったことがありました。米粒でも入っているのかと思ったのですが特にそんなこともなく、変わった名前の最中の由来は謎でした。後になってそれが合併前の福田町(ふくでちょう)で行われる米とぎ祭りに因んでいるとわかったので、見に行って来ました。

下帯ひとつの裸の男たちが今之浦川で米をとぐ神事です。 天秤棒に釜を下げ「よいしょ、よいしょ」の掛け声でやってきた男衆は、八王子神社脇の堤防から小舟に乗り込みます。流されそうになる舟をなんとか操って、見物人に見えるよう米をとぎ終えました。その後男衆は神社に参拝し、米をふかすために公民館へ移動したので、見物を終了して和菓子店へ。

米とぎ最中

丸い皮種には稲穂の焼き印が押してあります。 程よい甘さの餡は手亡豆の白餡で、種の形に凹凸がないせいかたっぷり入っている感じがします。店では福田の名産品のしらすが入ったクッキーも販売していました。

何故あの川で米をとぐ?

今之浦川を知っている人は誰もがそう思うでしょう。元禄時代に流行った疫病を祓うためで、川で洗ってふかした米を八王子神社に奉納したのが始まりだそうです。当初は奉納した後の米飯を参加者で食べ、氏子の家にも配っていたとか。さすがに今やったら逆に病気になりそうなので、食べてはいないと思いますが、どうしているのか聞いてくればよかった‥‥ 。

米とぎ祭り

神職の方は女性です。舟に乗った人たちの他にも、同じ格好をしてお神酒を担いできた人達が堤防で見守っていました。子どもたちも参加しています。なんとこの祭り、地域外の人も希望すれば参加できるそうです。1月の第2日曜日という寒さの厳しい時期ですが、今年は遠州のからっ風も止んでいて季節外れの穏やかな日和でした。

米とぎ最中

福田入河屋 静岡県磐田市福田中島137-1 0538-58-0865 木曜・第3水曜定休 1個140円
八王子神社から500メートルほど。最寄りの磐田駅から4キロ以上ありますので車でどうぞ。店の前に6台くらい停められます。

田子の月(亥パッケージ):静岡県富士市

亥と言えば静岡県伊豆市のいのしし最中がありますが、今回は「最中は語る」正月特別バージョンということで、 お年賀にぴったりの亥パッケージの田子の月です。

12月30日から1月7日までの期間で限定数を販売。田子の月の直営店は静岡県中部と東部に何店舗もありますが、静岡県西部のスーパーマーケット「遠鉄ストア」で販売していました。(直営店での販売でした。)最中は通常の餅入り田子の月です。

雲州そろばん最中:島根県奥出雲町

高品質の雲州そろばん

加茂岩倉遺跡へ行く前に、宍道駅からJR木次線で1時間半の奥出雲町へ行ってきました。1両編成の電車はバスのように整理券を取って運賃箱に料金を入れる方式!山の中の草木の間を縫うように進み、視界が開けると仁多米の棚田が広がり、途中トロッコ列車の「奥出雲おろち号」とすれ違いながら横田駅に到着。

坂道をダッシュして閉館時間が迫っている「たたらと刀剣博物館」へ。いつもは展示されている日本刀が神楽で使用中の為見られなかったのですが、天秤たたらの復元模型でたたらを踏む体験に挑戦!要領が悪いのか膝への負担が半端ないです。4~5回で終了。この後「そろばんと工芸の館」を訪問し、そろばん最中を購入。

雲州そろばん最中

そろばん玉の形をした最中4個が箱に入っています。少し粒が残るくらいのなめらかな餡は程よい甘さです。30年くらい前から地元の和菓子屋さんが作っていると、そろばん協業組合の方が言っていました。

たたら製鉄とそろばん

「質の雲州そろばん」と言われますが、たたら製鉄でできる良質な刃物と、硬い木をくり抜いて作るそろばん玉の製造が結びついて、雪深い奥出雲の冬の間の産業として発展したのだそうです。下の写真はたたら博物館の八岐大蛇のオブジェです。

八岐大蛇オブジェ

夕食で行った料理屋のご主人がいろいろ情報をくれまして、木次線には日本で3か所しかないスイッチバックがあって、景色のいい所でしばらく停まるとか。他にも巨石の景勝地や映画の撮影場所、おろちループ、自然博物館のナイトミュージアムなど、今回は無理でしたが時間があれば行ってみたかったですね。

雲州そろばん最中

そろばんと工芸の館 島根県仁多郡奥出雲町下横田76-5 0854-52-0839 1・2月の日曜休 4個入り810円
以前は透明袋に5個入りでした。作っているのは松浦商店で、横田駅前の店はやめてしまったようですが、おろちループの道の駅でも販売しているようです。