天狗もなか:静岡県伊東市

78.天狗もなか

函南から峠を越えて

秋スイカって聞いたことありますか?伊豆半島の付け根の函南町がスイカの産地で、秋に収穫されるスイカが9月の終わり頃に出回ります。果物好きの旅の仲間に同行し函南町に行くついでに、少し足を延ばして伊東市に行ってきました。

函南から峠を越えて海沿いを南下、ハトヤホテル近くの道の駅で昼食をとって市内へ。伊東には温泉や景勝地、僧の日蓮に因んだ最中があるのですが、今回は佛現寺に伝わる天狗伝説の最中を目指しました。

78.天狗もなか

大天狗の皮種の最中には3種類の餡があります。少し甘めの粒餡と、ほんのりとした塩味がちょうどいいこし餡、ピンクの皮種の白餡です。今回ピンクの種が品切れだったのですが、白餡にはレモンが入っているそうです。

解読不能な天狗の詫び状

万治元年(1658年)伊東と修善寺の間の柏峠に天狗が現れ、旅人に悪さをするので困っていました。豪傑で知られた伊東の佛現寺の日安上人が祈祷、読経のすえ、ついに天狗を捕らえて鼻を捻り上げると、天狗はたまらず松の上に逃げて行きました。後でその松を切り倒すと一巻きの紙が落ちてきました。その後天狗は姿を消したので、巻物は天狗の詫び状であろうと寺に持ち帰りました。

78.佛現寺と天狗の詫び状写し

詫び状は今でも佛現寺に保管されており、事前に申し込むと写しを見せてくれるそうです。寺で買える天狗羊羹には、包み紙の裏側に詫び状の一部が印刷されています。2900文字のうち一文字も解読されていないという摩訶不思議な代物で、さらに「天狗の髭」なるものも寺宝として保管されているとのことです。寺は日蓮宗本山の一つで、宝塔からは伊東の街並みと海が見えました。

天狗もなか

玉屋 静岡県伊東市和田1-6-5 0557-37-2582 日曜定休 1個172円
伊東温泉暖香園から伸びる一方通行の玖須美温泉通り200mほどの所です。控えめな店構えなので通り過ぎ注意です。寺にある天狗羊羹はこちらの店の品で、赤い包みは小豆、緑の包みはレモン入りの白餡です。洋菓子もあり、優しい女将さんが対応してくれます。車は店側に寄せて止めました。