ぎんなん春秋、銀杏もなか:愛知県稲沢市

黄葉まつりに行ってきました

旅の仲間にぎんなん好きがいるので、そぶえイチョウ黄葉まつりの初日に行ってきました。そぶえとは祖父江町のことで、今は稲沢市に編入されています。

会場のぎんなんパークの近くのグラウンドがまつりの駐車場になっていて、昼頃に着いたので帰る車も多く、近い場所に駐車できました。会場に向かって歩いていると、地元の人がいつもは誰もいないのにと話していました。会場にはぎんなん農家の店やぎんなん入りタコ焼き、イチョウのアクセサリーや雑貨の店などが多く出店していて盛況です。第二会場の祐専寺では演歌ショーが行われていました。

69.ぎんなん春秋

ぎんなん春秋はぎんなんの形のころんとした小振りの最中で、程よい甘さの小豆餡には刻んだぎんなんが入っています。正直、ぎんなんの味はわからないです。包みの文字は俳優の故小林桂樹氏によるものです。

70.銀杏もなか

イチョウ葉の形の銀杏(いちょう)もなかは大小2種類があります。程よい甘さの小豆餡がたっぷり入っています。

善光寺分院と砂丘もあるのです

ぎんなんパークのイチョウは黄葉が始まったばかりで、まだだいぶ緑の葉が残っていました。パークは木立の中に入ることができるので、次の週あたりには壮観だろうなぁ。人も多かったので、パークの隣の畑を撮ってみました。パーク側には立入禁止の注意書きがあるので、恐らく個人の畑なのでしょうが、知ってか知らずか横の小道から入っている人たちがいました。

69.ぎんなん畑

さて、祖父江には善光寺があります。あの信州善光寺の東海別院です。善光寺御本尊が遷座のおりに祖父江に立ち寄ったところ、その場所の蓮田にひとつの茎に2つの花が咲いたそうで、これを縁に別院が作られたといいます。信州の本堂の約3分の2の大きさだそうです。また、木曽川沿いには珍しい河畔砂丘があります。そぶえ砂丘と呼ばれており、10月には稲沢サンドフェスタが開かれ大型砂像の数々が展示されます。

ぎんなん春秋

松月堂 愛知県稲沢市祖父江町本甲神明前83-9 0587-97-0373 火曜定休 1個145円
ぎんなんパークの山崎駅から1つ南の森上駅前にあります。生菓子の他、ぎんなん入りのいちょうサブレやそぶえ砂丘、ケーキもあります。駐車場は店の横に2ヵ所あります。

銀杏もなか

花乃屋 愛知県稲沢市祖父江町祖父江高熊210 0587-97-0297 木曜定休 大1個140円 小1個90円
善光寺別院と同じ通りにあります。アシタバやギンナンを使ったものや、善光寺やそぶえ砂丘の名が付いた菓子もあります。銀杏もなかの看板が目印で、駐車場は1軒はさんだ横にあります。

カワウソもなか:愛媛県愛南町

愛南の宝、ニホンカワウソ

宇和島市からさらに南下し愛南町にやって来ました。宇和島からは40kmほどですが、電車が通っていないので車で来られてよかった。道中の珍しい地名に昔の出来事を想像し、リアス式海岸に点在する小島の景色を楽しみながらのドライブでした。

まず向かったのはカワウソの最中店です。ニホンカワウソは日本中にいて天然記念物に指定されていましたが、数が減り続け、特別天然記念物、絶滅危惧種と指定が変わりました。しばらくは愛媛県宇和海側と高知県に割りと残っていて、愛南町御荘地区ではよくカワウソが見られたそうです。愛媛県の県獣にもなっていますが、密漁される事もあったらしく、ついにその姿を見ることはなくなってしまいました。

68.カワウソもなか

リアル系カワウソの形の皮種と包み紙です。程よい甘さの、少し固めの小豆餡が入っています。5個入りパックと8個の箱入りもあります。メディアで紹介されることもあり電話での通販に対応しています。道の駅みしょうでも販売しているようです。

カワウソは絶滅したようですが

愛南町には日本で唯一現存する紫電改の展示館があります。ゼロ戦に代わって開発された最新鋭の海軍の戦闘機で、紫電の改造型ということで紫電改だそうです。久良湾に沈んでいたのを昭和53年に地元のダイバーが見つけ、引き上げられたそうです。一部屋のみの展示館ですが、引き上げの様子や部品が展示され、上から機体を見られる足場があります。機体の前には鎮魂か平和の祈りか、折り鶴がたくさん添えられていました。

68.紫電改

展示館は入場無料で、何人か見学者が訪れていました。館内で関連商品が販売されており、旅の仲間は土産にとオリジナルキャップやTシャツを買い込んでいました。愛南のキャラクター、カワウソのなーしくんのタオルもありました。愛南はマリンレジャーの町で、道の駅ならぬ海の駅にはボートでやって来る人もいるようです。

この後、旅の仲間の希望で松山市の正岡子規記念館に寄り、湯築城跡から松山城を眺め、瀬戸の与島で休憩し、岡山市で一泊してオリエント美術館を見学し、この旅を終えました。今治には行かなかったのですが、いくつか最中があるので、いずれしまなみ海道から行こうと思っています。

カワウソもなか

梶原製菓 愛媛県南宇和郡愛南町城辺甲2671番地 0895-72-0372 日曜午後休 1個170円
愛南町役場から南へ250mほど。町の和菓子屋さんの雰囲気の店です。藻塩大福が評判で、河内晩柑の愛南ゴールドを使ったなーしくん最中もあります。予約しておいたのですが、行き違いがあったのか大量に用意してあってびっくりしました。あー、いいよいいよーと問題ない感じでしたが。駐車場は店の向いにあります。

伊予路真珠もなか:愛媛県宇和島市

リアス式海岸が育むもの

新居浜市の次は西条市で断層最中を購入の予定だったのですが、残念なことに今年の春に閉店してしまいました。高齢になってもういいかなと思ったそうです。次に大洲市に行ったのですが、予定していた最中は鵜飼の季節の夏限定とのことなので、いずれ取り寄せしてその時の様子と共に紹介することにします。

さて、宇和島市にやって来ました。まずは宇和島城へ。宇和島伊達家が建てた天守は現存十二天守のひとつですが、城の縄張りは藤堂高虎によるもので、幕府隠密をも欺いた五角形です。駐車場がある北側ではなく、現存する薬医門では最古ではないかという上り立ち門から登城しました。高虎時代の石垣など眺めながら天守へ。かつては海城だったという景色を想像してみました。そんな宇和島のリアス式海岸では真珠の養殖が盛んです。

67.伊予路真珠もなか

阿古屋貝の形の皮種にはうわじまの文字と真珠の養殖筏が表されています。封を開けた途端に磯の香が広がり、程よい甘さの白餡は混ぜ込んだ青のりで緑色になっています。小豆餡の最中とは趣が異なりますが、青のりの違和感はさほどありません。

南予の牛鬼(うしおに)

宇和島城天守の入場券には、城を背景に角の生えた赤い動物が描かれています。頭は鬼、胴は牛、尾が剣の牛鬼(うしおに)です。竹の骨組みにシュロの毛を被せたものと、赤い布を被せたものがいて、邪気を払いながら祭りの神輿を先導します。実物が道の駅きさいや広場の牛鬼館で展示されているとのことで見に行きました。隣には真珠館があり、地場産品の売り場では揚げたてのじゃこ天を食しました。

67.宇和島の牛鬼(うしおに)

宇和島でもうひとつ有名なのが闘牛です。年に4場所が開かれるそうで、駅近くの土産物店には闘牛テーマの品が売られていました。牛鬼の民芸品が気に入ったのでみかんジュースと共に購入。あとは、牛鬼祭りのクライマックスとなる和霊神社にちょこっと立ち寄り、夕食には宇和島鯛めしと、盛りだくさんの宇和島でした。宇和島伊達家に興味がある人には伊達博物館や天赦園もあります。

伊予路真珠もなか

吉弘菓子舗 愛媛県宇和島市本町追手1-3-22 0895-22-2135 不定休 1個200円
城の東南の角から100mほどクランクして行きます。宇和島の郷土菓子で、みかんの蜂蜜を皮と白餡にたっぷり使った密饅頭の店です。駐車場はありませんが、短時間なら店の前に停めても大丈夫そうです。

別子一号もなか:愛媛県新居浜市

銅山鉄道の蒸気機関車

観音寺市を後にして、愛媛県新居浜市にやって来ました。ここには住友グループの礎となった別子銅山跡があります。新居浜インターから2kmほどのところに記念館があるので訪問しました。

元禄3年(1690年)に銅の鉱脈が見つかり、翌年から採掘が始まりました。それから300年近くに亘り様々な苦難を乗り越え、掘った鉱量は約3,000万トン、銅の量は約65万トンにも及んだといいます。当時の泉屋は住友と名を変え、新居浜の町や港は栄えました。明治23年には銅山鉄道が開通し、ドイツ製の蒸気機関車が導入されました。それが別子一号です。

66.別子一号もなか

包みには蒸気機関車が描かれていますが、皮種は江戸時代の丸銅を模ったのでしょうか、模様無しの平丸型はかえって珍しいです。砂糖と水飴、寒天で仕上げたオーソドックスな餡は粒が残り気味で瑞々しく、程よい甘さです。

世界遺産登録を目指す東洋のマチュピチュ

別子銅山記念館は大山住神社の境内にあります。神社の階段を上ると左手に別子一号蒸気機関車、右手にサツキに覆われた半地下の記念館があります。住友グループが建設、運営しており、無料で見学できます。四層のフロアを下へ進む作りで、鉱石標本や古文書、道具、坑道模型などの展示の他、歓喜の陽光(ひかり)と名付けられた仕掛けがあり、幕府から採掘許可が下りた5月9日に天窓から太陽光が直接差し込むというものです。こういうのいいですね。

66.別子一号

山中の銅山跡地にはマイントピア別子という観光施設や、さらに奥には東洋のマチュピチュと形容される東平(とうなる)の採鉱本部跡があります。東平は落石の為2023年3月末まで通行止めになっていますので、記念館隣の山根公園グラウンドに立ち寄って、昭和初期に住友社員が奉仕作業で作ったという石積観覧席や、その後ろにある銅山廃棄物の再利用を試みた山根精練所の煙突を眺めました。

別子一号もなか

菓舗蛭子堂 愛媛県新居浜市大生院988-3 0897-41-3841 水曜定休 1個160円
いよ西条インターチェンジから11号を500mほど新居浜方面へ戻ったあたりです。義経の屋島合戦の勝利に因んだ瀬戸の源氏巻が看板商品ですが、季節の上生菓子や新居浜にちなんだ和菓子が充実しています。店横に駐車場あります。

銭形最中:香川県観音寺市

銭形平次のタイトルバック

四国の一人旅を計画していたところ、いつもの旅の仲間が行きそびれた場所があるというので参加することに。車での二人旅となりました。昼前にのんびり出発し、瀬戸大橋を渡ったところで一泊し、観音寺市に向かいました。

観音寺市と言えば銭形砂絵。テレビ時代劇「銭形平次」のタイトルバックにこの巨大な寛永通宝の砂絵が使われているので、時代劇ファンにはお馴染みですね。砂絵の向いの丘に駐車場と展望台があって、少し高い位置から全貌を眺めることができます。年に2回市民の手で補修され、夜にはライトアップされるという砂絵の最中がこちら。

65.銭形最中

寛永通宝の最中です。砂絵があるのが海岸なのでパッケージには海と松が描かれています。程よい甘さの小豆餡ですが、密封パックに入っていて賞味期限が長いためか、日にちが経っていたようで、餡は硬く砂糖が結晶しかけていました。

旅装束の僧、法螺貝を吹く

この砂絵はてっきり観光用かと思っていましたが、1633年や1855年と諸説あるものの、江戸時代に作られたれっきとした歴史遺産でした。銭形展望台で車に戻ろうとした時、旅装束のお坊さんの一団がやって来て、居合わせたお遍路さんが写真を撮っていました。その後すぐに去って行ったのですが、直後に法螺貝を吹く音が聞こえてきたではありませんか!短い時間でしたが非日常の出来事に遭遇してラッキーな気分でした。

65.銭形砂絵

展望台から下って砂絵の前を過ぎると道の駅があります。ここには祭りの太鼓台が展示されていて、映像も流れていました。大きいものは3トンもあるという「ちょうさ」と呼ばれる豪華なもので、太鼓をたたいて引き回します。ちょうさ会館に行けば詳しい解説や展示が見られます。祭り期間中は交通規制のため銭形砂絵への道が封鎖されることがあります。旅の仲間はこれで前回砂絵が見られなかったと言っていました。

銭形最中

白栄堂 香川県観音寺市観音寺町甲1125-7 0875-25-3888 木曜定休 1個170円
和菓子部門は古い雰囲気の造りの店舗で和田邦坊の作品がいくつか置かれており、奥には茶房と洋菓子部門の店舗があります。店の横に8台停められます。