大橋もなか:島根県松江市

大橋もなか

源助さんを悼んで

松江城と松江駅の中間には宍道湖と中海をつなぐ大橋川に4つの橋がかかっています。左の宍道湖側から、宍道湖大橋、松江大橋、松江新大橋、くにびき大橋です。このうちの松江大橋の名が付いた最中があるのですが、何でこの橋?と思ったら、そこには悲しいお話があったのです。

松江城築城に際して資材を運び込めるよう、それまでの竹の筏の橋を大きな木造の橋に架け替えることになりました。ところがこれが難工事で何度も失敗するため、水神の怒りを鎮めるため人柱を立てることになったのです。朝一番に通りがかった足軽の源助が捕らえられ、生きたまま橋脚の下に埋められました。そうしてこの犠牲のうえに松江大橋は完成したのです。

最中の形は現在の松江大橋の欄干の親柱です。最中の厚さが薄めで、餡もほどよい甘さなため、軽く食べられます。旅行者だと気づいたお店のお母さんが、日持ちするパック入りのものを奥から持ってきてくれました。

昭和の源助さん

橋の南詰には小さな公園があり、供養碑が2つ立っています。ひとつは源助さんで、もうひとつは昭和12年、現在の大橋建設の際に事故で命を落とした深田技師のものです。源助柱の近くで起きた事故だったので、当時の新聞は昭和の源助さんとしてこの事故を伝えたそうです。

今の松江大橋は17代目ですが、風情ある佇まいです。欄干には擬宝珠が、歩道には見晴らし台の張り出しがあり、夜には灯篭に明かりが灯ります。なんでも現在松江大橋付近の護岸嵩上げの計画があり、もしかしたら18回目の架け替えが行われるかもしれません。

大橋もなか

豊月堂 松江市横浜町66-1 0852‐21‐3795 日曜午後休 1個120円
国道9号沿いで、駐車場は店の隣に1台分あります。店から出て左の竪町交差点を左に曲がり、途中で一方通行をちょっと斜めに入って、そのまま行くと松江大橋に辿り着きます。