松江城最中2種:島根県松江市

現存天守 国宝松江城

日本三大和菓子処のひとつ、松江市に行って来ました。茶人でもあった第七代藩主、松平不昧公の200年祭ということでお茶と和菓子のイベントなどがいろいろあるようでしたが、目指すは最中のみ!その前にまずは国宝松江城へ。

無料解放されている県庁の駐車場にレンタカーを停めて大手門から入城。高い石垣に圧倒されながら天守へ。黒い雨覆板張りの一層と二層の上に乗った白壁の千鳥破風がかっこいいです。千鳥城という別名は千鳥破風が四方にあるからだそうです。天守が国宝に指定されたのは意外と最近の2015年です。

松江城の名が付いた最中は2種類あります。ひとつは城の形で、もうひとつは築城主の堀尾吉晴の家紋「分銅紋」です。城のほうは仁多米を使ったさっくりした皮種に柔らかい餡が、紋のほうは小豆の風味がしっかり味わえる餡で、両方とも程よい甘さです。

堀尾吉晴公と松江城

堀尾家の分銅紋は、数々の戦で手柄を立てた吉晴公が豊臣秀吉より下賜されたものだそうです。松江城の大手門前の入口には松江城に向かって指示棒を掲げた吉晴公の銅像が立っています。この像と松江城をいっしょに写真に収めたかったのですが、なんと両者の間に松の木が。

松江は水の都とも呼ばれ、すぐそばに宍道湖が広がっていますし、城を取り囲む堀川からつながるいくつもの川を巡る遊覧船が出ています。和菓子店を回って城下町の風情を楽しみ、小泉八雲記念館を訪れて・・・なんてしたかったですが、今回は時間の都合でのんびりできませんでした。さて次回は果たしていつ?

松江城最中(城)

青松庵たちばな 島根県松江市袖師町11-1 0852-32-2345
日曜定休 1個185円
店内の和カフェから宍道湖の夕日スポットとして有名な嫁島が見えます。入口と駐車場が少しわかりにくいですが、10台以上停められるようです。

松江城最中(分銅紋)

桂月堂 島根県松江市天神町97 0852-21-2622 1個173円
松江駅から徒歩5分。駐車場7台あります。店の前は一方通行です。一畑百貨店にも出店していて、百貨店のネットショップでも購入できます。

月の輪:島根県安来市

敵討ちのワニザメ退治

安来といえばドジョウすくいの安来節が有名ですが、8月14日には安来の一大イベント月の輪まつりがあります。出雲国風土記に記されている月の輪の由来とは・・・。

674年7月13日のことでした。中海の毘売崎で遊んでいた語臣猪麻呂(かたりのおみいまろ)の娘が、ワニザメに襲われ殺されてしまいました。敵討ちを誓った猪麻呂が海岸で神々に祈ると百匹ものワニザメが現れました。群れの中心にいた大ワニザメを鉾で仕留め腹を割くと、娘の足がでてきました。怒りと悲しみでサメを切り刻み、鉾に刺してさらした形は月の輪(=三日月)のようであったということです。

横長の四角の最中には月の輪の鉾が描かれています。個包装の表には神事の様子が、裏には簡単な説明が載っています。餡は甘めで、きっちり包装されて賞味期限が長いので、砂糖の結晶ができるのを待って楽しむこともできます。

離れて向かい合う父娘の像

安来駅から出てまっすぐ歩くとすぐに安来港に出ます。右を見ると海の中に出た岩の上に猪麻呂の娘の像があります。これと対になるのが父親の語臣猪麻呂の像で、こちらは安来駅を出て左へ行くと左側にあります。猪麻呂の像は後ろが電線だらけで、なんかちょっと残念。

猪麻呂の敵討ち以来、毎年8月に娘の慰霊のために村人たちが4日間踊り続けたとのことです。市をあげての祭りとして今も続いていて、初日には5,000発の花火が上がり、哀愁を帯びた笛と太鼓に合わせ、三日月型の行灯を掲げた山車が練り歩く神事が4日に渡って開催されます。猪麻呂が神々に祈り始めてからサメを仕留めるまでに4日かかったことに因んでいるそうです。

月の輪

佐川末廣堂 島根県安来市安来町1195-1 0854-22-2569 日曜定休 1個140円
駐車場はありませんが、交通量が多くない道のようなので店の前に停めさせてもらいました。

鬼もなか:鳥取県伯耆町

日本最古の鬼退治伝説

桃太郎、酒呑童子、茨木童子・・・鬼退治の伝説は各地にありますが、米子市内から10km余り南の伯耆町溝口には日本最古の鬼退治伝説があります。

紀元前3世紀のことです。鬼住山(きずみやま)に住む鬼兄弟の大牛蟹(おおうしがに)と乙牛蟹(おとうしがに)は、人をさらい食べ物を奪って村の人々を苦しめていました。そこで第七代孝霊天皇は鬼退治を決意。苦戦が続きましたが、村人が作ってくれた笹苞団子と、天津神のお告げで用意した大量の笹の葉のおかげで鬼兄弟を退治したのでした。

鬼もなか

伝説とは違い、漫画のような鬼の顔の最中です。中は砕いたくるみがたくさん入った小豆餡。甘めの餡とくるみのバランスがいい感じ。米子市の餅屋さんが作っているのですが、店舗が無いので米子鬼太郎空港のセブンイレブンで購入しました。

守り人となった大牛蟹

鬼伝説の地へは、米子から国道181号を南下しました。溝口インター入口の信号を過ぎると行く手の川向こうの丘に巨大な鬼が座っているのが見えます。遠目からもなかなかの迫力!小鬼たちの像が四隅を守る鬼守橋(きもりばし)を渡って、今は無料開放されている「おにっ子ランド」へ到着。

他に観光客は見当たらず、巨大鬼が鎮座する「鬼ミュージアム」も今は閉館し、寂しさが漂っています。巨大鬼の像は降参して手下となった大牛蟹でしょうか。都の北の守りを任された大牛蟹は古巣の鬼住山の方を向いて座っていました。

鬼もなか

餅屋いけがみ 鳥取県米子市錦町2-205 0859-22-7863 火曜定休 1個162円
米子市内にあった店舗は閉店してしまいましたが米子鬼太郎空港セブンイレブンで販売しています。通信販売をしていて電話でも注文できます。0120-22-7864

楓もなか:岐阜県恵那市

明知線開通の記念樹

前回に続き戦国武将に縁のある土地です。恵那市の明智町といえば?
そう、明智光秀の出身地です。でも今回の最中は光秀とは関係がないのですよ。

恵那と明智を結ぶ名鉄明知線が、昭和9年に国鉄明知線として開通した時に、明智川沿いの下ヶ淵に記念樹として植えられたのが楓でした。そんな楓を模った最中があると聞いて行って来ました。

楓もなか

ふっくらした楓の葉の最中には、その日の分だけ作るという程よく粒の残る小豆餡が入っています。近所の最中好きの方へのお土産も含めたくさん買ったので、何日かに分けて食べたのですが、やっぱり3日目あたりが一番おいしかったですね。

楓・光秀・大正村

明智駅の前の道を南に進み、最初の信号を右に入ったところにお店があります。
その信号を曲がらずにそのまま行くと、楓の名所下ヶ淵です。1kmちょっと行くと道の脇が少し広くなっている場所があり、そこから川辺に降りられたので新緑の楓を写真に収めました。4月下旬のことです。

5月の初め頃には光秀祭りが開催され、武者行列や火縄銃の演武、光秀グッズの販売などがあるそうです。また、明智は町全体で日本大正村を名乗っていて、大正時代の町並みや建物が町のあちこちで楽しめます。さらに10月終わり頃には「大正村かえでまつり」もあります。

楓もなか

大木菓子舗 岐阜県恵那市明智町519-1 0573-54-2550 水曜休業 1個118円
明智駅から徒歩5分ほど。店の前の道は広くないですが、少し通り過ぎた反対側に駐車場があります。定休日は日曜から水曜に変わりました。

ちんとろ最中:愛知県半田市

夕闇に浮かぶ「ちんとろ舟」

なんとも珍妙な名前ですが、半田市の春祭りのひとつ「ちんとろ祭り」で神社の池に浮かべる舟を模った最中です。
チントロ、チントロというお囃子の擬音からそう呼ばれるようになったとか。
12個+365個の提灯がこんもりと飾られた2隻の舟が夕闇の池に浮かぶというのですが、その前に最中のお店へ行って来ました。

ちんとろ最中

最中を注文すると「餡を詰めますので少しお待ちください。」とのこと。それならばと、今食べる分も追加して、店の一画のテーブルですぐさま試食。
一口目で「おーっ!」となりましたよ。皮種の香ばしさとざくざくした食感は、形の複雑さが生み出すものなのでしょうか。餡は硬めでほどよい甘さです。持ち帰って食べた抹茶餡も種の強さに負けない風味でした。

ごんぎつねの里

一方、祭りはと言うと雨模様で心配していたのですが、それよりも風が強くなってきてしまいました。120mほどの幅がある池で舟が押し流されてしまうので水上の祭りは中止となってしまいました。
でも、半田市はそれだけじゃありません。祭りは4月ですが、秋には新美南吉記念館の近くを流れる矢勝川の堤防に彼岸花が咲き誇ります。下の写真は去年の9月末に行った時のものです。

矢勝川の彼岸花

ごんぎつねが六地蔵の陰から兵十の母親の葬式を見る場面で「赤い布のように咲きつづいていた」彼岸花を再現しようと生前の南吉を知る人が植え始めたそうです。
新美南吉記念館は半地下になっていて、前の広場の芝生が屋根まで続いています。南吉作品の絵本や狐の雑貨、狐のクッキーなどが手に入ります。

ちんとろ最中

丸初製菓本舗 愛知県半田市本町7丁目20 0569-21-0391
火曜定休 1個140円
JR半田駅から350mほど。はす向かいの商工会議所駐車場にも駐車できます。