楓もなか:岐阜県恵那市

明知線開通の記念樹

前回に続き戦国武将に縁のある土地です。恵那市の明智町といえば?
そう、明智光秀の出身地です。でも今回の最中は光秀とは関係がないのですよ。

恵那と明智を結ぶ名鉄明知線が、昭和9年に国鉄明知線として開通した時に、明智川沿いの下ヶ淵に記念樹として植えられたのが楓でした。そんな楓を模った最中があると聞いて行って来ました。

楓もなか

ふっくらした楓の葉の最中には、その日の分だけ作るという程よく粒の残る小豆餡が入っています。近所の最中好きの方へのお土産も含めたくさん買ったので、何日かに分けて食べたのですが、やっぱり3日目あたりが一番おいしかったですね。

楓・光秀・大正村

明智駅の前の道を南に進み、最初の信号を右に入ったところにお店があります。
その信号を曲がらずにそのまま行くと、楓の名所下ヶ淵です。1kmちょっと行くと道の脇が少し広くなっている場所があり、そこから川辺に降りられたので新緑の楓を写真に収めました。4月下旬のことです。

5月の初め頃には光秀祭りが開催され、武者行列や火縄銃の演武、光秀グッズの販売などがあるそうです。また、明智は町全体で日本大正村を名乗っていて、大正時代の町並みや建物が町のあちこちで楽しめます。さらに10月終わり頃には「大正村かえでまつり」もあります。

楓もなか

大木菓子舗 岐阜県恵那市明智町519-1 0573-54-2550 水曜休業 1個118円
明智駅から徒歩5分ほど。店の前の道は広くないですが、少し通り過ぎた反対側に駐車場があります。定休日は日曜から水曜に変わりました。

高坂弾正もなか:長野県阿智村

甲陽軍鑑の作者

春は花桃、夏は星空の名所、阿智村に行って来ました。
阿智村は武田信玄の没地と言われていまして、武田の軍記物語「甲陽軍鑑」の作者と言われている高坂弾正の名が付いた最中があるのです。

時は4月下旬。花桃はまるで夢の世界のように満開。川に沿って植えられた花桃の並木道をたくさんの人がぞろぞろ歩いています。そんな様子を延々と続く車列の中から眺め、駐車場には入らずにUターンして最中の店へ。花桃の里がある月川温泉郷から最中を売る店がある阿智村中心地までは結構距離がありました。

高坂弾正最中

お店では川中島の合戦がパッケージになった羊羹もありましたが最中を購入。
形は四角で兜の絵と弾正の文字が入っています。裏を返すとそこには武田菱の紋がはいっているのですが裏側の写真を撮るのを忘れました。側面が直角なので見た目より餡はたくさん入っている感じです。甘さ控えめの小豆餡です。

何故ここに高坂弾正の最中が?

その答えはお店に置かれていたリーフレットに書かれていました。弾正の末裔が阿智村出身で、その方との縁でこの最中が誕生したのだそうです。リーフレットは2種類ありますので、最中を買いにいったら是非入手してみてください。

花桃はすばらしいけど、人が多いなぁと躊躇していたら写真を撮るタイミングを逃してしまいました。阿智村には花桃や星空の他に昼神温泉や、知る人ぞ知る満蒙開拓平和記念館もあります。この時は時間の都合で遠くから記念館の建物を見ただけだったのですが、催しがあるのか大勢の人が集まっていました。

高坂弾正もなか

春木屋本店 長野県下伊那郡阿智村駒場243の1 0265-43-2878
月1回木曜休業 1個140円
阿智村の中心部にあって、店の前に5台くらい駐車できます。

ちんとろ最中:愛知県半田市

夕闇に浮かぶ「ちんとろ舟」

なんとも珍妙な名前ですが、半田市の春祭りのひとつ「ちんとろ祭り」で神社の池に浮かべる舟を模った最中です。
チントロ、チントロというお囃子の擬音からそう呼ばれるようになったとか。
12個+365個の提灯がこんもりと飾られた2隻の舟が夕闇の池に浮かぶというのですが、その前に最中のお店へ行って来ました。

ちんとろ最中

最中を注文すると「餡を詰めますので少しお待ちください。」とのこと。それならばと、今食べる分も追加して、店の一画のテーブルですぐさま試食。
一口目で「おーっ!」となりましたよ。皮種の香ばしさとざくざくした食感は、形の複雑さが生み出すものなのでしょうか。餡は硬めでほどよい甘さです。持ち帰って食べた抹茶餡も種の強さに負けない風味でした。

ごんぎつねの里

一方、祭りはと言うと雨模様で心配していたのですが、それよりも風が強くなってきてしまいました。120mほどの幅がある池で舟が押し流されてしまうので水上の祭りは中止となってしまいました。
でも、半田市はそれだけじゃありません。祭りは4月ですが、秋には新美南吉記念館の近くを流れる矢勝川の堤防に彼岸花が咲き誇ります。下の写真は去年の9月末に行った時のものです。

矢勝川の彼岸花

ごんぎつねが六地蔵の陰から兵十の母親の葬式を見る場面で「赤い布のように咲きつづいていた」彼岸花を再現しようと生前の南吉を知る人が植え始めたそうです。
新美南吉記念館は半地下になっていて、前の広場の芝生が屋根まで続いています。南吉作品の絵本や狐の雑貨、狐のクッキーなどが手に入ります。

ちんとろ最中

丸初製菓本舗 愛知県半田市本町7丁目20 0569-21-0391
火曜定休 1個140円
JR半田駅から350mほど。はす向かいの商工会議所駐車場にも駐車できます。

こん吉もなか、五縁もなか:愛知県豊川市

稲荷の狐と商売繁盛

豊川市と言えば豊川稲荷ですね。今年の4月に行って来ました。
門前には稲荷寿しやきつねうどんの店が立ち並んでいて、油揚げで鶏の唐揚げをはさんだ「おきつねバーガー」なんてのも売られています。

まずは門前通りで油揚げの醤油焼きに海苔を巻いたものとお稲荷さんを何個か買い食いし、宝珠まんじゅうを土産に買ってから、門前通りの隣の一画へ。
ここで入手したのが小豆餡の「こん吉もなか」と白餡の「五縁もなか」。

こん吉もなか

五縁もなか

稲荷だもの、やっぱり狐ですよ。そして五円とご縁をかけた最中。
五円玉には稲荷の象徴でもある稲穂もデザインされてますしね。最中の横の赤いマークは商品名の帯の後ろについている宝珠です。
皮種は少し薄めで餡はほどよい甘さです。五縁もなかは最初はゴマ餡だったようですが、2018年4月時点では白餡になっていました。

実はお寺なのです

ところでこの豊川稲荷、りっぱな鳥居もあって、お稲荷さんを祀っているのかと思いきや、実は曹洞宗のお寺なのです。境内を守る吒枳尼天が稲穂を担いで狐に乗っているので、お稲荷さんと同一視されるようになったそうです。

豊川稲荷

境内には企業やお店が商売繁盛を祈願して奉納した赤い千本旗がずらりと並び、その一番奥には霊狐塚があります。赤い前掛けをしたお狐様たちの像で埋め尽くされた、なんともミステリアスな一画ですよ。

こん吉もなか 五縁もなか

穂の国本舗(豊川稲荷前旭町店) 各160円
愛知県豊川市旭町14 0533-86-3771 金曜定休
豊川稲荷の山門を出て、商店街に沿って右に行き、信号を渡ったところです。

国分寺最中:静岡県磐田市

国分寺跡より出土の軒瓦

「何故、私が最中大使になったのか?」の冒頭に出てくる幼い頃に食べていた最中―それがこの国分寺最中です。
当時はこの花模様の周りから花びら部分を食べて最後に中心を食べる、なんてことをしていました。しかし、それは単なる花の模様ではありませんでした。遠江(とおとうみ)国分寺跡から出土した軒瓦の模様だったのです。

国分寺最中

国家鎮護の国分寺

国分寺は奈良時代に建立された寺で、国分尼寺とセットになって全国各地に70か所近くありました。しかし現在は多くが廃寺になって、跡地のみが空しく残っていたり、別の寺に代わってしまっています。

遠江国分寺も国の特別史跡に指定されてはいるものの、今は広場になっていて、七重の塔の礎石と復元された基壇の段差が残るのみ。そんな国分寺跡ですが、毎年5月終わり頃の国分寺まつりでは、奈良時代の装束での行列や、蹴鞠のデモンストレーションなどが行われ、この時ばかりは雅な時代の雰囲気が甦るのです。

さて、この最中の模様になっている軒瓦は磐田市埋蔵文化財センターに保管されていますが、梅の季節に遠江国分寺跡に行ってきました。駐車場は隣接する市役所の駐車場が利用できます。入口付近で復元想像図が入るように撮影したので広さがわかりませんが、この奥は野球場が2面入ってしまうほどの広場になっています。この日は日曜日でしたが数人の親子連れと史跡の説明を熱心に読む5人ほどのグループしかいませんでした。のんびりした早春のひと時でした。

国分寺最中

井口製菓 静岡県磐田市見付2663 0538-32-3951 水曜定休 1個120円
旧東海道の宿場町だった見付の通りの郵便局の隣です。駐車場2台。
この他にも販売している店があるので、後日まとめて紹介します。