りんご最中・りんご小町 青森県青森市

三内丸山遺跡は広いよ

一関から青森に行く前に八幡平に寄りました。最中は事前に電話確認しておくのですが、八幡平の「焼走り最中」の店が連絡が付きませんでした。で、行ってみたのですが、残念ながら閉店した様子。岩手山の焼走り熔岩流の荒涼とした景色の中で風の音を聞いた後、新青森駅へ。仕事の都合で新幹線で来た旅の仲間と合流して三内丸山遺跡へ向かいました。

入口の博物館で、短い距離しか歩けない運転担当者に車いすを借りて遺跡へ。画像などでよく見る掘立柱建物や復元された住居などの他に、保管庫のような建物がいくつもあります。ひとつに入ってみると、なんと掘立柱が建っていた穴が・・・こっちが本物か!考えてみたらそうだよなーってことで盛り上がりました。下調べ無しで行くのもいいかも。小牧野遺跡もできれば寄りたかったのですが、予定が詰まっているのでパスして最中を買いに市内の浪岡地区へ。

74.りんご小町・りんご最中

りんごの半立体形にりんご餡が入ったのがりんご最中。若い人にも最中に親しんでほしいと作ったのがりんご小町です。小町には粒餡、りんご餡、ごま餡、抹茶餡があります。餡の比率が多いのですが、程よい甘さ。りんご餡はほのかな果肉の酸味が白餡によく合います。

賑やかなねぶたの館

夕方、青森駅前にて、だけきみ(とうもろこし)の天ぷらや帆立の貝焼き、鮨などを食べ、一泊。翌朝はねぶたの家ワ・ラッセに。暗い館内には「らっせーら」の掛け声が流れ、朝一番から団体客で賑わっています。名人の作品や前年の優勝ねぶたの他、触れる展示やずらりと並ぶ売り出し中の若手の作品を鑑賞しました。

74.青森ねぶた

次に土産物店が集まる施設へ。旅の仲間が土産を買い込んで宅配便の手配をする間、おやつのアップルパイを買おうと開店を待っていたら、いつの間にか行列ができていました。一番で入手して、いざアントニオ猪木家の墓へ!でもその前に、昨日浪岡で最中を買ったあと、鶴田町とつがる市に行ったので、次回はそちらを紹介します。

りんご最中・りんご小町

つしま堂 青森県青森市浪岡大字浪岡字細田90-5 0172-62-3860 不定休 りんご最中1個232円+税 りんご小町1個194円+税
奥羽本線浪岡駅から100mほど。感じのいい女将さんがいる店です。りんご羊羹やりんご餡の焼き菓子の他、浪岡城をテーマにしたチョコまんじゅうも人気のようです。りんご小町は道の駅アップルヒルでも買えます。駐車場は店前に2台分。

大河原最中 鰐口:宮城県大河原町

みちのく車旅

青森・秋田の五能線の一人旅を計画していたところ、旅の仲間がアントニオ猪木家の墓に行きたいということで車旅に変更。一気に青森までは遠いので、宮城県に入ったところで白石インターで東北道を降りて大河原町に寄りました。

街中に入る前に日本武尊を祀る大高山神社に参拝。小さな神社ですが571年に創建された歴史ある神社で、鎌倉時代の鉄九輪塔や室町時代末期に渡来した南蛮鉄の鳥居を見学しました。また、ここには青銅製としては東北地方最古の鰐口が保管されていて、国の重要文化財に指定されています。鰐口とは社寺の軒下に掛けて、前に垂らした綱で打ち鳴らすもので、神社の本坪鈴のようなものです。

73.大河原最中鰐口

鰐口を模った最中は2017年末に発売されました。画像の粒餡、ごま餡の他に、桜の季節には緑色の皮種の桜餡もあります。つぶし気味の粒餡は上品な程よい甘さ。ごま餡の皮種は緑っぽく写っていますが実際は灰色で、白黒ブレンド餡に練った黒ごまが入っています。

白石川の桜と鳥たち

次に大河原公園前のリバーパークに行ってみました。大河原町と隣の柴田町を流れる白石川には桜堤があって、両町とも一目千本桜と名付けています。この季節は花は終わっていますが、車を降りた途端に桜葉の香りに包まれました。水際まで行けるなだらかな階段があり、冬には白鳥を間近で見られるようです。この日はカッコウ、雉、鶯、燕、鴨の声がしていました。

73.大河原リバーパーク

滞在時間は短かったのですが、リフレッシュできました。この後、街中で最中を購入して白石インターまで戻り、宮城県を縦断して岩手県一関市で泊り、旅の初日を終えました。

大河原最中 鰐口

菓子匠喜多屋 宮城県柴田郡大河原町大谷字末広55 0224-52-1577 無休 1個130円+税
おおがわら桜まつり会場の近く。和菓子職人の兄と洋菓子職人の妹の店で、どら焼きから上生菓子、たぬきケーキからガレット・デ・ロワまでと幅広い和洋菓子があります。駐車場は隣に6台分。

絵島生島最中:長野県伊那市

花より最中の高遠城址

先日南信州に行ったばかりですが、別の旅の仲間がアスパラ狩りに行くというので、また伊那市まで同行しました。

農園はいちごフェア目当ての客で大繁盛。我々のアスパラ狩りはすぐ終わって、木のおもちゃに色を塗る体験に参加するというので、二手に分かれ、和菓子店に寄ってから高遠城址公園へ。桜の最盛期には伊那インターから高遠までの10kmが大渋滞するらしいですが、今年は開花が早く1週間前に既に散っているのでストレス無く移動できます。花より団子ならぬ、花より最中ということで。

72.絵島生島最中

四角い最中は絵島と書かれた半分に白餡、生島のほうには粒餡が入っています。どちらも程よい甘さです。美しい包みの裏には、叶わぬ二人の恋をせめて最中でと二つの味を併せましたと、店主の言葉が載っています。

大奥の勢力争いの犠牲者か

江島生島事件は七代将軍徳川家継の時代、大奥年寄の江島が将軍生母の代理で増上寺に参った帰り、歌舞伎を見に寄って門限に遅れたことが発端でした。役者の生島との関係を疑われ、綱紀粛清で江島は高遠に、生島は三宅島に遠島となり、他にも1400名が処罰を受けました。その後小説「絵島生島」により広く知られるようになりましたが、どうやら大奥の勢力争いが絡んでいたようで、生島を長持に潜ませ大奥に招き入れたというのは、フィクションのようです。

72.江島囲み屋敷

高遠の桜はすっかり散っていましたが、バスツアーでやって来る観光客でそこそこ賑わっていました。城址公園の下には高遠町歴史博物館があって、江島の囲み屋敷が敷地内に再建されています。元はここから3km程の三峰川の上流にあったようです。江島は27年間幽閉されていましたが、晩年は屋敷の周りの散歩を許されたり、高遠城で作法の講師を務めるなどしたようです。生島のほうは江島が亡くなった翌年に、将軍となった吉宗の恩赦で江戸に戻ったと伝わっています。

絵島生島最中

菊香堂 長野県伊那市坂下旭町3300 0265-72-2751 水曜定休
飯田線の伊那市駅と伊那北駅の中間あたりの県道146号沿い、伊那郵便局の近くです。高遠饅頭やパイまんじゅう、焼きドーナッツなどもありますが、上生菓子は細工が美しく味も一級品です。駐車場はないので、店前に停めてくださいとのことです。

塩もなか:長野県大鹿村

塩泉の謎

道の駅巡りをしている旅の仲間と共に、南信州に行ってきました。南アルプスと中央アルプスに挟まれた飯島町の道の駅を回ってから、天竜川の南アルプス側の支流小渋川のダム湖を超え、やって来たのが人口1100人の大鹿村。村民歌舞伎と山塩の村です。

ここには食塩泉の温泉が湧いていて、古事記に登場する建御名方神(たけみなかたのかみ)が鹿狩りの際に見つけたとか、弘法大師が塩の調達に難儀していた村人の為に湧き出させたとかという伝説が残っています。明治になると岩塩を探しに鉱山師がやってきましたが、結局見つかることはありませんでした。現在では日本列島が形成される途中で閉じ込められた海水が源と推測されています。この温泉水からできる塩は、村内のみで販売されています。

71.塩もなか

塩が白餡の甘さを引き立てています。皮種には篆書体の「味」と「楽」が、包みの鹿の絵の下には歌舞伎と鹿のキャラクターのおすみつきシールが貼られています。塩もなかには同じ皮種の焼いも、黒ごま、小豆餡のよもぎがあり、違う皮種でくるみと栗があります。

中央構造線の露頭

最中を購入した後、中央構造線博物館に寄りました。九州東部から関東まで日本列島を横断する世界第一級の断層が中央構造線です。構造線をはさんだ地質の分布が石の実物で展示されており、地滑りなどの資料映像と窓からは大西山の大崩落の跡がよく見えます。地質の分かれ目が露出している安康露頭に行ったのですが、道が傷んでおり、露頭のすぐ手前で通行止めになっていました。仕方なく引き返し、村の反対の端の北川露頭まで行ってきました。両方とも国の天然記念物です。

71.中央構造線北川露頭

日本一美しい村連合に加入している大鹿村ですが、伝説の大池への道や夕立神パノラマ展望台への道も通行止めでした。高地でしか育たないヒマラヤの青いケシの農園もあるので、夏までには復旧するといいですね。最後に塩の里直売所によって山塩アイスを食べ、薄緑色の川床が美しい塩川をしばし眺めてくつろぎました。太古の昔に海洋プレートが運んできたものに出会える山間の村でした。

塩もなか

歌舞伎の里大鹿 長野県下伊那郡大鹿村大河原390 0265-39-2844 無休(臨時休業あり) 1個150円(他の種類は180円~)
国道152号の小渋川沿いにある道の駅です。歌舞伎や鹿をテーマにしたグッズや大鹿唐辛子の商品があり、レストランではジビエ料理が食べられます。地元民のためのコンビニを兼ねているようです。塩川沿いの塩の里直売所でも販売されています。

椎茸の里:三重県いなべ市

山々を臨む農業公園

3月に入ってしまいましたが、今年最初の最中旅に出かけました。東海エリア最大級の梅まつり開催中のいなべ市です。10日程前から始まっていたのですが、梅林がある農業公園は気温が低く、全体の三分の一くらいしか咲いていませんでした。それでも訪れる車が入口で列をなし、犬連れの家族や中国人女子グループなどが、薄っすらと雪を被った山々をバックにした梅林にカメラを向けていました。

会場内には飲食コーナーもあるのですが、花粉が舞う屋外でマスクを外せないので、来る途中にあった赤そばの店で昼食をとり、椎茸最中がある市街地の和菓子店に向かいました。椎茸は全国的に見ると有名な産地がたくさんあるのですが、いなべ市も生産に力を入れているということなのでしょう。

71.椎茸の里

椎茸が生えたホダ木の形になっています。かつては市内6店舗で販売していましたが、今は2店舗になりました。餡は店毎に異なり、こちらはこし餡に椎茸エキスが入っていて独特な風味です。もう1店はいつも最中があるわけではないらしいですが、椎茸入りだそうです。

賑わう街中

最中と梅以外のもう一つの目的が軽便鉄道博物館です。三岐鉄道北勢線の終着の阿下喜(あげき)駅にある小さな無料の博物館です。ボランティアで運営しており、第1と第3日曜のみの開館で、展示車両の周りを走るミニ電車に乗ることができます。順番待ちの列ができる盛況ぶりで、大人も乗れます。もちろん乗りましたよ。三岐線には貨物鉄道博物館もあり、そちらも寄付とボランティアで運営されています。

71.軽便鉄道博物館

街中ではちょうど雛人形のイベントが開かれいて、マップを手にした人々が商店や寺などに飾られた雛人形を目指して歩き回っていました。和菓子店では順番待ちの客に、地元客や店の人が気さくに話しかけていました。他にも5月上旬には農業公園でぼたんまつりが、5月下旬には自転車レースのツアー・オブ・ジャパンいなべステージが開催されます。この日もサイクリストを多く見かけました。意外に賑ういなべ市でした。

椎茸の里

松寿園菓子舗 いなべ市北勢町阿下喜1999-1 0594-72-2330 水曜定休 1個130円
阿下喜駅から北へ信号2個目を左折して150mほど、ウッドヘッドの斜め向かいです。ピーナツ形のきな粉の干菓子や大福、まんじゅうが中心。手作り小物が飾られ、教室を開くこともあるようです。駐車場はありませんが、週末は商工会のウッドヘッドに、平日は短時間なら店前にとのことです。